Google アナリティクスは
なぜ「デジタルマーケティングプラットフォーム」なのか
データのマーケティング活用の視点から、いわゆる「プライベートDMP(データマネジメントプラットフォーム)」に対する市場の期待はどこにあるのか?と言えば、多様なデータの(広告)施策プラットフォームへの直結と、新規顧客獲得まで含めたターゲティング効率の向上ではないでしょうか。
多様なユーザーデータとキャンペーンシナリオによるセグメントリスト作成、そのリストによる(また、近い将来リストの類似新規層に向けた)ターゲティング配信が行えるツールとして、Google アナリティクスは今まさに進化し続けています。Google アナリティクスは「プライベートDMP」そのものではありませんが、DMP的に活用することが可能な「デジタルマーケティングプラットフォーム」と言えます。
ユニバーサルアナリティクスへバージョンアップしたことによって、特にデータ取得・集計領域の機能が大幅に拡張されました。施策の手法や運用の効率化はデータの種類と量、その活用法に大きく左右されるといっても過言ではありません。一方、施策に連動しない分析は存在意義を失うと同時に、施策の最適化のために行う分析はツールの進化に伴い、分析視点の一般化(テンプレート化)と自動化が進んでいます。
本稿では、Google アナリティクスのDMP的活用(GA-DMP)のための10の方法として、データ取得・集計領域と、その活用について紹介していきます。
1. カスタムディメンション ①
~トラッキングコードでサイト内変数を取得する~
「カスタムディメンション」は文字通り任意のディメンションを追加したい場合に、“ディメンションのデータの箱“を作ることができる機能です。Google アナリティクスの通常のトラッキングコードで取得できるディメンションや指標は、既定のレポート画面で集計・表示されるように設計されていますが、カスタムディメンションは他に分析やセグメントに必要なデータを取得したい場合に利用します。Google アナリティクスをDMP的に活用するには、いかにセグメントに有用なデータを取り込むかが計測設計上のポイント。カスタムディメンションを使いこなすことは非常に重要です。
追加のディメンションデータを、サイト内から取得する場合はトラッキングコードを使用します。ディメンションに入れるデータ(変数)を取得できるページにデータ取得用のトラッキングコードを貼ることでGoogle アナリティクスにデータを渡すことができます。
代表的な利用例としては、会員登録完了ページなどで「Member」という変数を取得する、などがありますが、会員ID(個人を特定できない匿名化されたもの)などのように個々に変動するデータも動的な(プログラムによる)処理によって取得することもできます。他には、登録フォームで入力されるような属性データ(性別や都道府県名など)も同様に取得し、分析やセグメントに活用することができます。
このように取得したデータは、通常のレポート画面に反映することはできないので、随時カスタムレポートを作成してデータを見るかたちになります。ディメンションもレポート画面もカスタムで作る、ということです。
2. カスタムディメンション ②
~データインポートでディメンションを拡張する~
ユニバーサルアナリティクスでは、このカスタムディメンションでデータを活用する方法が大幅に強化されました。前述のサイト内からデータを取得する方法とは別に、外部データをインポートして“カスタムディメンションの箱”に入れる方法、「データインポート」も可能です。
Google アナリティクスはサイト訪問ユーザーのアクセスデータ(Hitデータ)を記録する仕組みになっていますが、外部からインポートされたデータも個々のHitデータ内の特定のディメンション(キーディメンション)に紐づける形で記録することで、Google アナリティクスがトラッキングコードで取得したHitデータと一緒に分析やセグメントで利用することが可能です。現在のところインポートされた外部データは、インポート後に発生したHitデータとのマッチングによって紐付けされる仕様になっています。
データインポートの代表的な利用例としては、企業側で持っている顧客の属性データ(性別、年齢、購買履歴、会員ステイタス情報など)をインポートして、Google アナリティクス内での分析・セグメントに利用することなどが考えられます。
データインポートでは、ディメンションデータだけでなく指標データもインポートすることができます(カスタム指標)。AdWords連携によって見ることができるレポートデータ「集客>AdWords>キャンペーン」も「キャンペーン」や「広告グループ」をキーディメンションにAdWords側の指標データ(インプレッション数、クリック数、費用)をインポートして表示しているので、データインポートと同じ仕組みと言えます。