ブランドとの「最初の体験」であるF1商品、どう設計する?
ECグロース支援を行うPALAの兒嶋仁視です。ECビジネスのスタンダードを整理し直して、WHY・WHAT・WHOの議論をしていく連載の第8回です。
前回の記事では、F1商品(初回商品)を「最初に買われやすい商品」ではなく、LTVや限界CPAを左右する入口体験として捉える必要がある、と解説しました。
F1商品は、顧客にとっては、そのブランドを初めて体験する接点です。ブランドにとっては、F2転換、LTV、広告投資効率を左右する起点になります。
では、そのF1商品はどのように設計すればよいのでしょうか。
今回は、F1商品の作り方と、初回購入後にF2転換へつなげるための実務設計について整理していきます。そして、F1商品の「作り方」という表面的なHow toにとどまらず、顧客がリピートに至るまでの「入口体験作りのロードマップ」を紐解いていきます。
F1商品の設計は「開発」と「編集」に分かれる
F1商品を設計する際、大きく分けると「新たに開発する」「既存商品をF1商品として編集する」の2つの戦略が選択できます。
1つ目の方法は、WHO(ターゲット)の課題から逆算して新たなF1商品を開発するという戦略です。
ブランドや商品をこれから作る場合は、「誰の、どのような課題を、どうやって解決するのか」から考える必要があります。
自社が持っている技術、原料、製造方法、販売チャネル、顧客理解などを棚卸ししたうえで、どの顧客のどの課題に対して、最も強い価値を提供できるのかを考えます。
ここで重要なのは、作れるものから考えないことです。もちろん、自社のリソースを活かすことは大切です。しかし「作れるから作る」だけでは、顧客にとって買う理由が弱くなります。
商品が選ばれるためには、顧客側から見たわかりやすい課題や欲求に接続していることが重要です。誰のための商品なのか。どんな場面で必要になるのか。なぜ今買うべきなのか。
このあたりが明確でない商品は、広告やLPで説明を重ねても、なかなか初回購入につながりません。
2つ目は、「既存商品をF1商品として編集する」戦略です。既に主力商品やリピートされている商品がある場合、必ずしも新商品を開発する必要はありません。
既存商品の良さを、初回顧客が最短で理解できる形に編集するだけでも、F1商品として機能することがあります。次のページでは、既存商品をF1商品として編集する際のポイントを解説します。
