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TikTok Shop Japan 1周年、出店企業の92.3%が満足 広がる「発見型EC」の定着

 2025年6月30日に日本でサービスを開始したTikTok Shopが1周年を迎えた。本稿では、6月9日に発表会が開かれた「TikTok Socio-Economic Impact Report 2026」のデータ、2026年6月22日に発表された広告主向けトレンドレポート、さらにTikTok Shop活用企業へのインタビューをもとに、TikTokが日本の消費行動と経済に与えているインパクトを整理する。

データから見るTikTokの現状──「流行のアプリ」から「生活インフラ」へ

 TikTokの国内月間利用者数(MAU)は4,950万人(2026年5月末時点、TikTokとTikTok Liteの合計・重複除く)に達した。もはや若年層だけのプラットフォームではなく、30代の利用率は34.1%、40代でも29.1%と、購買力の高い層にまで浸透が進んでいる。

 経済的なインパクトも大きい。「TikTok Socio-Economic Impact Report 2026」によると、2025年にTikTokの動画視聴などを起点として生まれた国内推定消費額は3,468億円(前年比46%増)。国内名目GDPへの貢献額は6,800億円(前年比40%増)、雇用貢献数は5.2万人(前年比+約1万人)と推計されている。

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 産業別のGDP貢献額をみると、金融・保険が1,228億円、個人向けサービス(美容室・飲食店等)が565億円、旅行・レジャーが431億円と、幅広い業種に波及している点が特徴的だ。

「発見」を起点とした新しい消費行動

 この経済インパクトの背景にあるのが、TikTokならではの「発見」体験だ。TikTokユーザーの71.3%が「TikTokは、知らなかった情報を教えてくれる」と回答しており、TikTokは単なるエンターテインメントの場ではなく、日常の情報収集と購買意思決定の起点として機能している。

 TikTok上の検索行動もこの変化を裏付けている。たとえば2026年5月には、「あっさりラーメン」の検索数が前月比約60倍、「ファンデ 夏 崩れない」が約22倍、「クラス t」が約43倍となった。また、「炭酸スクイーズ」は約317倍(※2026年5月末時点。自社調べ。ユーザー数はTikTokとTikTok Liteの合計(重複を除く))となるなど、TikTok上で話題となったコンテンツをきっかけに検索行動が活発化し、発見を楽しむ行動も広がっているという。

TikTok Shopの活用状況──「検索して買う」から「出会って買う」へ

 「TikTok Socio-Economic Impact Report 2026」によると、全国の男女約1.8万人を対象に2026年3月に実施した調査において、TikTok Shopの直近1年以内の利用率は10代で20.9%、20代で15.3%と若年層ほど高いことが分かった。同レポートにおいて、TikTokを週1回以上利用するユーザーに限ると、TikTok Shopの認知率は61.3%、利用率は30.9%に達しており、購買チャネルとしての存在感が確立されつつある。

 同調査に基づくTikTok Shop利用者の満足度は53.4%となっている。満足の理由として「LIVE配信でその場で購入できる」(26.6%)、「実際の利用者のレビューや口コミが参考になる」(26.4%)が挙がり、リアルタイム性と第三者評価へのアクセスが評価されている。今後の利用意向では、利用者および認知者の53.5%が「利用したい」と回答し、特に40〜60代で意向が高い傾向が見られた。

 さらに、同レポートに記載された出店企業を対象とした調査(n=234)では、48.7%が「TikTok Shopの動画をきっかけに商品が認知され、購入につながった」と回答している。従来の商圏を越えた認知拡大(41.9%)、これまで接点のなかった地域の顧客からの購入増加(40.6%)、全国の小売店やバイヤーからの問い合わせ増加(38.0%)など、地理的制約を超えた販路拡大の効果が顕著に表れている。こうした効果を背景に、出店企業の満足度は92.3%に達していると報告されている。

 TikTok Shopの成果創出を支えるのが、広告ソリューション「GMV Max」だ。動画コンテンツやLIVE配信、商品情報をもとに、購入可能性の高いユーザーへ最適な配信を行い、売上の最大化を支援する。GMV Maxを活用しているセラーは、非活用セラーと比較してより高い成長傾向が見られるという。

47マルシェに聞く、TikTok Shopの「勝ち筋」

 TikTok Shop公式パートナーとして地方特産品を扱うオンラインショップ「47マルシェ」を運営するIZULCAの代表取締役社長・榎原良樹氏は、TikTok Shopの日本ローンチと同時に事業を開始した。同社は、マイクロアドとPinspace社との合弁会社でもある。

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 榎原氏が着目したのは、「知らなくて、かつ魅力があるものを届ける」ことがTikTokのディスカバリーコマースにおける勝ち筋になるという仮説だ。検索型ECでは「名前を知らない商品」は見つけてもらえないが、TikTokでは動画を通じた「発見の驚き」が購買につながる。この特性と地方の隠れた特産品の相性が良いと考えた。

 手応えを象徴するのが、兵庫県豊岡市とのタイアップだ。市長がLIVE配信に登場し信頼感を醸成、「現地でしか手に入らない」限定性を訴求した結果、1回のライブ配信で約500万円の売上を記録。取り扱った米はTikTok Shop内の週間ランキング1位を獲得した。

 榎原氏はTikTok Shopの難しさとして、クリエイター・コンテンツ・商品・価格・物流という5つの「調整軸」の最適化を挙げる。「他のECだとパッケージ化されているが、TikTok Shopはこの調整こそがビジネスを伸ばす鍵」。ライブ中のコメント対応やタイムセールの投入タイミングなど、現場での「反射神経」も求められる。

 最後に、勝ち筋について榎原氏は「短期的には売上の"波"をいろんな商品やアカウントで作り続けること。一方で、自治体連携などを通じて"ブランド資産"をしっかり築くことが、他社には模倣しにくい独自の強みになる」と語った。

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2026/06/30 10:00 https://markezine.jp/news/detail/77030

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