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水野貴明の“技術から学ぶ”アクセスログの読み方

アクセス解析を利用した“悪意”ある宣伝手法
「リファラースパム」


ウソのリファラー情報を紛れ込ませることが可能!?

 アクセス解析のキホン! リンク元解析の裏側を見てみようでも解説したとおり、リンク元の記録、解析には「リファラー情報」というものが使われます。これは、ブラウザがページ(を保存しているサーバ)にアクセスする際に「リクエストヘッダ」と呼ばれる情報の一つとして送ってくるものです。この情報を解析することで、リンク元や検索エンジンの利用され具合、検索に用いられたキーワードなど、さまざまな情報が得られます。

 しかし、このリファラー情報には、大きな欠点があります。それは、この情報を送るか送らないか、そしてどんな情報を送ってくるのかは、完全にブラウザにゆだねられており、受け取った情報をサーバ側で検証することはできない、という点です。これはつまり、ブラウザが送ってきたリファラー情報が本当に正しいリンク元なのかを、サーバ側で判別することはできない、ということを意味します。

 また、ブラウザがリファラー情報を送ってこなかった場合、アクセス解析では通常「ブックマークなどから」なんていう表示をすることがあります。これは、直接URLを入力したり、ブックマーク(お気に入り)に登録したURLを選択した場合には、リファラーが送られてこないからです。

しかし実際には、ブラウザの設定や、各種セキュリティソフトの設定によって、どんな場合であってもリファラーを送らないようにすることができるので、実際にはどこかのリンクをクリックしたにもかかわらず、リファラーが送られてこないケースも含まれてしまいます。

 そしてさらに、ブラウザ側で工夫をすれば、実際にはリンク元でも何でもないURLを、リファラー情報として送信することもできます。そうした場合、アクセス解析の「リンク元」解析に、実際にはリンク元でも何でもないURLを紛れ込ませることが可能になるのです。

リファラー情報に嘘のURLを紛れ込ませることも可能
リファラー情報に嘘のURLを紛れ込ませることも可能

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リファラースパムの仕組みと狙い

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この記事の著者

水野 貴明 (ミズノタカアキ)

1973年東京生まれ。バイドゥ株式会社勤務の兼業テクニカルライター。学生のとき に父親が買ってきたパソコン(マイコン)と出会い、コンピュータとの付き合い を開始。大学は有機化学、大学院では分子生物学を学ぶも、就職で再びコンピュータの道を進むことになった。その後インターネットの普及により、様々な方に出会う機会を得て1999年より執筆活動を開始。 http://d.hatena.ne.jp/mizuno_takaaki/

 

著書
『アクセス解析でホームページの集客を極める本』 水野 貴明著、 ソーテック社、2005年3月 
『詳解RSS~RSSを利用したサービスの理論と実践』 水野 貴明著、ディー・アート、2005年8月

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2008/08/20 11:02 https://markezine.jp/article/detail/4664

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