リファラースパムの仕組みと狙い
実際には、通常のブラウザにはあまりそういう機能はありませんから、多くのリファラー情報は、実際に正しいリンク元を示していると考えられます。しかし、悪意のある人が自動的にさまざまなURLにアクセスするプログラムを使って、偽のリファラー情報を送りつける場合があるのです。
その目的は「宣伝」です。つまり、自分が宣伝したい、アクセスしてほしいと思っているサイトのURLをリファラー情報に入れて、さまざまなページにアクセスを行い、たくさんのサイトのアクセスログにそのURLを残します。
そして、アクセス解析が行われた際にそのサイトの管理者が「このサイトはなぜ自分のサイトにリンクを張ってくれているのだろう?」と疑問に思って、サイトに訪問してくれることを期待しているのです。こうした行為はいわゆる「スパム」の一種であり、特に「リファラースパム」と呼ばれます。

リファラースパムは、サイトの管理者、しかもアクセス解析を行っている人に対してのみ有効な宣伝行為であり、なかなか効果が現れにくい気もしますが、最近ではアクセス解析は非常に一般的になっており、個人サイトなどでもアクセス解析が行われていることも多いので、それなりの効果はあるのでしょう。
また、それほど多くはありませんが、リファラー情報を自動的に解析して「リンク元」や「アクセス元ランキング(逆アクセスランキング)」などとして自動的にリンクとして表示しているサイトもあるので、リファラースパムを行うことで、こうしたサイトから自分のサイトにリンクを張り、外部リンクを稼ぐことも期待できます。つまり、SEO的な効果もねらっているわけです。
それ以外にもGoogleなどの検索結果を装ったリファラースパムも存在しているといわれています。思いがけないキーワードからの流入があった場合、いったいそのキーワードでどのページが、何位に表示されているのか気になりますから、アクセス解析を行った管理者は、実際にその検索結果にアクセスする可能性は高くなります。
その検索結果に自分のサイトが表示されることを利用して、間接的に自分のサイトに誘導することをねらったものであったり、そのキーワードでの検索回数を増やし、検索エンジン側にそのキーワードが重要なものであると見せかける、もしくはそこから自分のサイトへのリンクをクリックする人が多いことを期待して、検索エンジンに自分のサイトが重要であると見せかける、といった目的があると言われています。
