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水野貴明の“技術から学ぶ”アクセスログの読み方

アクセス解析を利用した“悪意”ある宣伝手法
「リファラースパム」


リファラースパムの仕組みと狙い

 実際には、通常のブラウザにはあまりそういう機能はありませんから、多くのリファラー情報は、実際に正しいリンク元を示していると考えられます。しかし、悪意のある人が自動的にさまざまなURLにアクセスするプログラムを使って、偽のリファラー情報を送りつける場合があるのです。

 その目的は「宣伝」です。つまり、自分が宣伝したい、アクセスしてほしいと思っているサイトのURLをリファラー情報に入れて、さまざまなページにアクセスを行い、たくさんのサイトのアクセスログにそのURLを残します。

そして、アクセス解析が行われた際にそのサイトの管理者が「このサイトはなぜ自分のサイトにリンクを張ってくれているのだろう?」と疑問に思って、サイトに訪問してくれることを期待しているのです。こうした行為はいわゆる「スパム」の一種であり、特に「リファラースパム」と呼ばれます。

リファラースパムの仕組み
リファラースパムの仕組み

 リファラースパムは、サイトの管理者、しかもアクセス解析を行っている人に対してのみ有効な宣伝行為であり、なかなか効果が現れにくい気もしますが、最近ではアクセス解析は非常に一般的になっており、個人サイトなどでもアクセス解析が行われていることも多いので、それなりの効果はあるのでしょう。

 また、それほど多くはありませんが、リファラー情報を自動的に解析して「リンク元」や「アクセス元ランキング(逆アクセスランキング)」などとして自動的にリンクとして表示しているサイトもあるので、リファラースパムを行うことで、こうしたサイトから自分のサイトにリンクを張り、外部リンクを稼ぐことも期待できます。つまり、SEO的な効果もねらっているわけです。

 それ以外にもGoogleなどの検索結果を装ったリファラースパムも存在しているといわれています。思いがけないキーワードからの流入があった場合、いったいそのキーワードでどのページが、何位に表示されているのか気になりますから、アクセス解析を行った管理者は、実際にその検索結果にアクセスする可能性は高くなります。

 その検索結果に自分のサイトが表示されることを利用して、間接的に自分のサイトに誘導することをねらったものであったり、そのキーワードでの検索回数を増やし、検索エンジン側にそのキーワードが重要なものであると見せかける、もしくはそこから自分のサイトへのリンクをクリックする人が多いことを期待して、検索エンジンに自分のサイトが重要であると見せかける、といった目的があると言われています。

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リファラースパム対策はない!?

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この記事の著者

水野 貴明 (ミズノタカアキ)

1973年東京生まれ。バイドゥ株式会社勤務の兼業テクニカルライター。学生のとき に父親が買ってきたパソコン(マイコン)と出会い、コンピュータとの付き合い を開始。大学は有機化学、大学院では分子生物学を学ぶも、就職で再びコンピュータの道を進むことになった。その後インターネットの普及により、様々な方に出会う機会を得て1999年より執筆活動を開始。 http://d.hatena.ne.jp/mizuno_takaaki/

 

著書
『アクセス解析でホームページの集客を極める本』 水野 貴明著、 ソーテック社、2005年3月 
『詳解RSS~RSSを利用したサービスの理論と実践』 水野 貴明著、ディー・アート、2005年8月

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2008/08/20 11:02 https://markezine.jp/article/detail/4664

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