フルコア・サントリー社は、オーストラリアとニュージーランドを中心にビジネスを展開している飲料メーカー。同社では、小売店へ営業が訪問し注文をとってくるスタイルの営業活動を行っていたが、事業の持続的な成長について考えるうえでテクノロジーをより活用していくことを決断。発注のオンライン化、営業担当者のSFA/CRM活用の導入定着を進めた立役者、フェルナンド・バッタリア氏に話を聞いた。
誰がいちばんオンラインで注文をとったか競ってみる
――あらためましてテクノロジーによる営業変革のきっかけやポイントを教えてください。
お客様に良い顧客体験を提供するために精力的にやってきましたが、テクノロジーの観点では最適な状況にありませんでした。競合はCRMなどのITツールを使ってマーケティングやセールス活動において付加価値を提供していたので、私たちも追いつくべきだと考えていました。特別な苦痛なポイントがあったというよりは、今後の成長に合う、寄り添えるようなITシステムを求めていたというところです。
さまざまなCRMのソリューションを検討しました。自社開発も考えましたが、弊社のITの組織はあまり大きなものではなく限界や制約があったのです。徹底的に投資計画なども調査した結果、SAPのCXソリューションを採用することにしました。SAP Commerce CloudでBtoBのECサイトを構築して小売店からの注文をいつでも受けられるようにしながら、ECシステムと連携したSAP Sales Cloudを営業担当者に活用してもらうことで、より付加価値の高い営業活動に時間割いてもらおうとしたのです。

ソリューションの定着に向け、完ぺきな仕組みを用意しようとするのではなく、アジャイルな方法を採用しました。重要なことはユーザーを理解しながら、最適な方法を見つけていくことだからです。この場合のユーザーは営業スタッフですので、テクニカルな言葉で語るのではなく、できるだけ彼らの言葉で価値を語るようにしました。彼らが重要にしている価値は何でしょう。競争に勝つというところが営業が発揮したい価値のひとつです。「誰がいちばんオンラインでオーダーをとったか」を競ってもらうようにしたのです。そして彼らのグッドワークに対して適切な報酬を与えるような仕組みを作りました。
――競いながら活用してもらうというのはとても面白いです。定着にあたってほかにも工夫されたことはありますか?
当社はオーストラリアとニュージーランドで拠点が遠く離れていたのですが、オンボーディングやトレーニングに関しては、営業と顔を合わせ少人数で丁寧に行っていくことを重視しました。場合によっては1対1でアプリケーションの使いかたをアドバイスしていきました。トレーニングのタイミングも非常に重要です。間があいてしまったりするとあまり良くありません。
それから営業の人たちのなかには3~4年前の古いiPadを使用している人もいました。新しいプラットフォームを使ってもらえればiPadも新しいものを提供することにすると、それが大きな理由となって活用してくれることもありました。付加価値をユーザーに与えることは大切にしたのです。これは社内のユーザーだけでなく、社外のユーザーである小売店に対しても同じようなことをしたわけですが、ちょっと特別な何かをつくっていくようにしました。
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宮田華江(編集部)(ミヤタハナエ)
立教大学社会学部メディア社会学科卒業。2016年翔泳社に入社、MarkeZine・ECzineなどの広告営業を担当。2019年1月に営業組織をテクノロジーで支援するウェブマガジン「SalesZine」を立ち上げる。2020年4月、SalesZine編集長就任。ビジネスメディアの統合を担い、2026年...
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