オンラインマーケティング先進国の“真似”をするだけでは、最適なマーケティングは行なえません。海の向こうの動向を“学び”自分たちの仕事に“活かす”ことが、厳しい経済環境の中では必要となります。この連載では、そういった志を持つニッポンマーケターへ、日々の業務に活かせるような、ヒントを提供していければと思っています。第1回目の今回は、少々大きな視点からオンラインビジネスの違いについてお話をしていきます。
米国動向の“真似”ではなく自分流の“応用”を
MarkeZine読者のみなさん、ご無沙汰しております。オムニチュアの大山忍です。MarkeZineオープン時には、大山忍のちょっと気になる海外マーケティング事情というコラムを担当しておりましたが、今回から、新たに「海の向こうから学ぼう!大山忍のニッポンマーケター応援宣言」というコーナーを新たに担当することになりました。
さて、最初にこの連載をはじめるきっかけについて、少しお話をさせてください。
私は、米国東海岸にある小さな大学で、社会学を勉強していました。当時、世界の貧しい国の女性を支援したいと国連で働くことを夢見て、発展途上国論から、人類学、女性学、哲学に至るまで、社会をさまざまな視点から読み解くクラスを好き好んで履修していました。
今思うと、私が師事した教授たちは、物事をひとつの側面に偏って見ることに警鐘を鳴らし、とことん掘り下げ、自分自身の意見を主張することを、授業や論文に求めてきたのですが、それらがすべて、今の自分を形成する重要な土台となっていると感じます。
月日がたち、いくつかの人生の転機を経て、今、私はオンラインマーケティングの分野で、一歩先を行く米国の手法を参照しながら、日本のお客様に最適なソリューションを提供するコンサルタントのキャリアを歩んでいます。専門は変わったとはいえ、日米のオンラインビジネスに関わっていると、その社会的背景の影響によるビジネスの違いに目が向いてしまいます。そして、どうすれば日本のマーケターを盛り上げることができるのかと、日夜、そのアイデアをぐるぐると駆け巡らせています。
このように、目まぐるしく発展するオンラインマーケティング分野についての勉強に日々追われているわけですが、その中で、共に成長していきたい日本のマーケターの応援ができればと思い、この連載をスタートしました。
日米のオンラインビジネス、何が違うのか
さて、第1回目は、大きな視点で日米のオンラインビジネスの展開の違いについて、お話していきたいと思います。
少々、話はさかのぼりますが、2004年に米国NY-カナダ間を往復する豪華客船で開催された、アフィリエイトサミットに初めて参加したときのこと。ベンダーやアフィリエイトコンサルタントといったビジネスパーソンに混じって、その場に似つかわしくない、中年夫婦とその友人といった普通の旅行者たちが、テーブルの一角を陣取っていました。
どんな仕事をしているのかと聞いてみると、“プロフェッショナルだよ”との答え。後にわかったことですが、コンピュータに馴染みのなさそうなその中年から初老のような人たちが、当時“スーパーアフィリエイター”と呼ばれていた、年間数千万円ものコミッション(アフィリエイト報酬)を稼ぐ人たちだったのです。
日本では、当時主婦が月に30万円稼いだと大騒ぎになっていたアフィリエイトで「実際コンピュータに関しては素人同然だ」という彼らがなぜそこまで稼ぐことができたのでしょうか。それは個人のアフィリエイト活動を支える、いくつもの“アフィリエイト周辺ビジネス”の台頭が、大きな要因だったのです。
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大山 忍(オオヤマ シノブ)
米国大学卒業。外資系企業を経て2000年にネット広告効果測定ツールを提供するベンチャーに創業メンバーとして参画。その後、バリューコマース株式会社と合併し、アフィリエイトシステムの開発企画やマーケティングマネージャーを務める。
2007年1月にオムニチュア株式会社(現Adobe)に参加、コンサルティングサービスを立ち上げる。ビジネスコンサルタントとして米国のベストプラクティスを日本の課題やニーズに合わせて提供、ウェブ解析やガバナンス(データ主導の組織・仕組化)...
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