自社のサブスクでは、顧客が毎月料金を支払って買い続けるだけの価値を提供できているだろうか。Shopifyにおける「定期購買アプリ」などを提供している株式会社ハックルベリー 代表取締役社長 安藤祐輔氏が、3回にわたって顧客に選ばれるサブスクサービスを解説する当連載。今回は、3つの事例から顧客に「続けてもらえる」サブスクの特徴を捉える。
サブスクは今や我々の生活の一部となった。音楽・映画といった娯楽だけでなく、化粧品・食品など様々なサブスクが我々の日常を彩っている。連載最後となる今回は、サブスクで成功を収めるために、どのような戦略や価値提供が求められるのかを伝えたい。実際にサブスクビジネスで成果を上げている企業の事例から、成功の理由を解き明かしていく。
前回の記事はこちらから
月額を払う価値のあるサービスか
プロのスタイリストによるファッションの提案やアドバイスが受けられるファッションレンタルサービス「airCloset」。会員数は100万人を超え、公式サイトには「働く女性が選ぶファッションサブスクNo.1」の文字が輝いている。忙しいビジネスウーマンの強い味方だ。
サブスクの基本姿勢は「月額を払う価値ある商材設計ができていること」。airClosetのサブスクは、「毎月スタイリストが選んだ洋服が届く」という一風変わったサービスだからこそ、顧客が使い続ける理由が生まれる。
明確なターゲットを置き、そのターゲットを考え抜いたサービス設計も魅力だ。airClosetは、現在「働く女性」をターゲットにサービスを展開している。忙しいがおしゃれをしたい人に、どんな服が好きか・似合うかを診断できるコンテンツを展開したり、受取・返却の手間がかからない配送の仕組みを準備したりするなど、とにかくユーザーライクなサービスとなっている。
デザインもモダンで、UI/UXもわかりやすい。良い意味で「サブスクっぽさ」の抜けたサービス設計も、airClosetが成功した一因だろう。
ライバルの多い王道商品でも勝てる仕掛け
「N organic」の商材は、かなり王道な単品リピート通販だが、「購入してもらうための仕掛け」と「CRM」がうまく機能しており、サブスク支援事業をさせていただいている身としても参考になる。
「化粧品」という単品リピート通販の中でも競合ひしめくカテゴリーで戦っていく以上、ブランディング要素は非常に重要だ。N organicはブランドとしての見せ方も綺麗だが、購入してもらうための仕掛けやLP(ランディングページ)の構成・訴求が緻密に設計されている。商品の提示から、初回購入時や再購入時のアップセルなどCRM施策も万全。顧客のLTVを上げるための仕組みがバッチリ整っている。
特にこのトライアルキットのLPは非常に参考になる。1,280円という価格を見せて顧客の興味を誘ったあとの導線設計は見事としか言いようがない。
N organicのような王道の単品リピート通販は、いかに顧客に価値を感じてもらうか、使い続けてもらうかが肝心だ。「ブランディング」とその価値を感じてもらうための「マーケティング」が不可欠となる。N organicは、その両輪をこれ以上ないほどうまく回しており、単品リピート通販の模範と言えるモデルだろう。
メールマガジンに登録無料すると、続きをお読みいただけます
この記事は参考になりましたか?
- サブスク成功への道連載記事一覧
-
- 商品+αの体験価値が明暗を分ける 3つの事例から学ぶ「続けてもらえる」サブスクになる方法
- そのサブスク、うざがられていないですか?わかりやすい料金形態や解約のしやすさで信頼を勝ち取...
- サブスクに適さない商材でも成功事例はある 顧客とのつながりと独自性で「お得感」以上の価値を...
- この記事の著者
-
安藤祐輔(アンドウ ユウスケ)
シリアルアントレプレナー。東京消防庁入庁後、大学進学。筑波大学在学時に人材事業にて起業。複数事業を展開し、2012年11月株式会社Socketを創業。2014年9月にスマホ向け販促プラットフォーム「Flipdesk」をリリース、アダストリア、ビームス、メガネスーパーなど数百社へ導入、利用されるサービスとなり、その後...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
