大事なのは、優劣ではなく役割
ここまで各チャネルの特性を整理してきましたが、重要なのは「どのチャネルが優れているか」ではありません。集客チャネルには、それぞれ役割があります。
- 今月の売上を作りたいのか
- 半年後の自然流入を増やしたいのか
- 広告依存度を下げたいのか
- 既存顧客の再購入を増やしたいのか
- ブランドの指名検索を増やしたいのか
目的が変われば、優先すべきチャネルも変わります。
たとえば、今月の売上が足りないのであれば、Email、LINE、広告チャネル(Paid Search、Display、Paid Social)を中心に短期で動かせる施策を検討する必要があります。
一方で、広告費をかけ続けないと売上が維持できない状態を変えたいのであれば、Organic Search、Organic Social、Referral、CRMの基盤づくりに取り組む必要があります。
どちらが正しいという話ではありません。短期で売上を作るチャネルと、中長期で資産を作るチャネルを分けて考える。その上で、今の事業フェーズに合わせて優先順位を決める。
この整理ができていないと、今の売上が必要なのに中長期施策ばかりやってしまったり、逆に、将来の集客構造を変えるべきタイミングで短期施策だけを積み上げてしまったりします。
ECの集客で起きる問題の多くは、施策そのものの良し悪し以前に、時間軸とチャネル選定のズレから生まれているのです。
集客全体を見る起点はGA4でよい
集客全体を整理する際は、まずGA4を起点に見るのがよいと考えています。理由はシンプルで、GA4が一番「共通の物差し」で比較しやすいからです。
広告管理画面は、基本的に各媒体の成果を見るためのものです。Meta広告であればMeta広告の成果、Google広告であればGoogle広告の成果を見ます。
もちろん、広告運用の改善には媒体管理画面を見ることが必要です。入札、配信面、クリエイティブ、キーワード、ターゲティングなど、細かな改善は各媒体の管理画面で行うべきです。
ただし、集客戦略全体を考えるときに、媒体管理画面だけを見ていると、各媒体の成果を横並びで判断しにくくなります。媒体ごとに計測ロジックが異なり、コンバージョンの数え方も違うからです。
もちろん、GA4が完璧というわけではなく、Cookie規制などの影響で正確な数値トラッキングができないといった課題があります。しかし、各媒体でバラバラな計測ロジックを「共通の物差し」比較するためのダッシュボードとして、一番機能が揃っています。
配信の最適化は各チャネルで、集客戦略の整理はGA4で行う。この役割分担が重要です。
集客の成否は設計で決まる
集客戦略において大事なのは設計です。自社が持つチャネルを整理し、役割と時間軸に合わせて戦略を設計する。そして、チャネルごとに見るべき指標も定める。ここまで来て初めて各施策の内容に入るべきです。
また、施策の内容を決める際も、最初の設計が欠かせません。たとえば広告であれば、短期的な新規顧客の獲得がメインになります。それを理解した上で、どの媒体に予算を投下するのかを決める。また、検索広告では指名と一般をどう分けるか、SNS広告ではどの訴求軸やクリエイティブを試すのかなどを、役割と時間軸で判断します。
CRM、SEO、オーガニックのSNS運用など、他の施策においても同様です。チャネルごとの特性を理解し、施策の優先順位を付けながら集客設計をしましょう。
次回からは主要チャネルの攻略法を解説
今回は、集客を考える前提として、チャネルごとの特性を理解することについて整理しました。
集客施策は、広告、SEO、SNS、CRM、アフィリエイト、Referralなど多岐にわたります。しかし、それらを同じ「集客」としてひとまとめに扱うと、判断を誤ります。
- 短期で売上を作るチャネル
- 中長期で育てるチャネル
- 新規顧客との接点を作るチャネル
- 既存顧客を再訪・再購入につなげるチャネル
それぞれの役割を分けて考えることが、集客戦略の第一歩です。次回以降は、各チャネルについて、より具体的に整理していきます。
- Paid Search/Display/Paid Socialなどの広告チャネル
- Email/LINEなどのCRMチャネル
- Organic Search/Organic Social/Affiliates/Referral/QRなどのその他チャネル
それぞれについて、どのように考えるべきか、どの数字を見て判断するべきかを順に深掘りしていきます。
