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水野貴明の“技術から学ぶ”アクセスログの読み方

アクセス解析を利用した“悪意”ある宣伝手法
「リファラースパム」


リファラースパム対策はない!?

 では、こうしたリファラースパムを防ぐにはどうしたらいいでしょうか。実は、こうしたリファラースパムのアクセス自体を完全に防ぐ方法はありません。解析の際に、リファラースパムかどうかを判断するのも、かなり困難だからです。

 リファラースパムを判別する方法として、解析の際に実際にそのリンク元にアクセスしてみて、自分のサイトへのリンクが存在しているかを確認(もちろん機械的に)するという方法がありますが、それをしても、リファラースパムなのか、現在リンクが消滅しただけなのかを判別することはできません。リンクがないことだけでスパムと判断してしまうと、本当はスパムではないものまで、誤判断してしまう危険性があります。

 また、リファラーに使われるドメインやそこに含まれやすいキーワードなどを、ブラックリスト化して対応する方法もありますが、スパムを行う側でも、URL短縮サービスや、リダイレクトを用いてURLを偽装する手口を使ってくることもあり、完璧ではありません。つまり、以下のように、あるURLにアクセスすると、他のページにリダイレクトされる、という仕組みを持つサービスなどを悪用して、身元をわかりづらくする手法がとられることがあるのです。

リダイレクトによるURLの偽装
リダイレクトによるURLの偽装

 したがって、完全な対応策は存在せず、ある程度フィルタリングによってあからさまなリファラースパムは排除できていたとしても、アクセス解析の際には、「リファラースパム」というものが存在しリンク元に表示されたURLだからといって、それが絶対にリンク元であるとは限らない、ということは常に意識する必要があります。さて、次回はやはりアクセス解析を悪用する別の手法として、ユーザーエージェントの偽造について解説していきます。

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この記事の著者

水野 貴明 (ミズノタカアキ)

1973年東京生まれ。バイドゥ株式会社勤務の兼業テクニカルライター。学生のとき に父親が買ってきたパソコン(マイコン)と出会い、コンピュータとの付き合い を開始。大学は有機化学、大学院では分子生物学を学ぶも、就職で再びコンピュータの道を進むことになった。その後インターネットの普及により、様々な方に出会う機会を得て1999年より執筆活動を開始。 http://d.hatena.ne.jp/mizuno_takaaki/

 

著書
『アクセス解析でホームページの集客を極める本』 水野 貴明著、 ソーテック社、2005年3月 
『詳解RSS~RSSを利用したサービスの理論と実践』 水野 貴明著、ディー・アート、2005年8月

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2008/08/20 11:02 https://markezine.jp/article/detail/4664

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