博報堂生活総合研究所は、小学4年生から中学2年生を対象に、1997年と2007年に行った調査の結果から、子供たちの生活行動や意識の違いを比較分析するレポートを発表した。
その特徴から「アフターバブル・キッズ」(1992~97年生まれ)と「アメンボキッズ」(1982~87年生まれ)と名づけられた両者は、社会情勢や教育環境などの影響を受け、この10年でさまざまな変化を見せている。「欲しいものは何ですか?」という質問に対して、1位はいずれも「お金」。同じく2位は「いい成績」だが、その割合は44.9%から54.0%と1割も増えており、成績アップに対するプレッシャーを感じさせる。また、2007年で3位の「時間」は10年前の26.1%から35.5%に増加している。
「もっと増やしたい時間は?」に対する回答のトップ3は、「睡眠時間」「友達とすごす時間」「ぼんやりすごす時間」。「テレビゲームをする時間」は10年前から10.1%マイナスの19.8%にとどまった。こうした状況からか、「時間的ゆとりがない」と感じている子供の割合は41.6%に達している。
交友関係を見ると、友達の数は51人から67人に増加しており、子供たちがもっと知りたいことのトップは「友達の話」(48.1%) で、「音楽や歌手の話」「スポーツの話」を上回っている。また、「感動して涙を流すのは?」という問いには約85%が、映画、ドラマ、本を挙げ、「学校行事など実体験」は13.6%にとどまっている。
「年齢やお金、時間を考えずに、親にしかられることもないとしたら、今何をしてみたいか」という質問については、「デパートで好きなものを買う」「毎日遊園地で遊ぶ」「好きなスポーツをし続ける」という選択肢が上位に並んだが、10年で最も大きく伸びたのは「山のように本を買って読み続ける」(22.8%)。「好きな楽器を演奏しつづける」「彫刻したり絵画や小説を書き続ける」という回答も見られた。
博報堂生活総合研究所「子供の生活10年変化」~「アフターバブル・キッズ徹底調査結果発表」(PDF)