2025年8月20日、博報堂DYホールディングスと博報堂による「コンテンツビジネスラボ」は、「コンテンツファン消費行動調査2025」の結果を公表した。本調査は全国の15~69歳男女10,000名を対象としたもので、アニメや音楽など全11カテゴリ、1,700以上のコンテンツについて生活者の消費動向を明らかにしている。
コンテンツ全体の支出額、過去最高を記録
調査によれば、2025年の生活者一人当たりのコンテンツ支出額は8万5,137円(前年比+6,034円)と過去最高を更新した。コロナ禍以降のエンターテインメント市場の回復が続いており、2023年調査以降3年連続で上昇している。

特にリアルイベント市場と音楽ジャンルが支出増をけん引し、市場の盛り上がりを象徴している。
リアルイベント市場の推定規模は1兆2,596億円(前年比+22%)と大きく拡大。

音楽ジャンルの市場規模は8,005億円に達し、コンサートや音楽フェスティバルなどのリアルイベント市場(3,122億円)も高水準を維持した。デジタルコンテンツ市場(920億円)は過去最高を記録、関連グッズ市場(747億円)も高水準となった。

支出額は増加、支出者数は減少 ― 熱心なファン構造に
一方で、コンテンツに支出する人数は減少傾向にある。2019年と2025年を比較すると、音楽ジャンルのリアルイベント市場では支出層が648万人(-37.1%)、関連グッズ市場でも188万人(-26.6%)減少した。支出層の人数が減る一方で、一人当たりの支出が増えており、特定のコンテンツを深く愛する熱心なファンによる支出が市場を下支えする構造が明確化した。

背景には、デジタル上で無料で楽しめるコンテンツの増加や、おすすめアルゴリズム中心の消費傾向があると見られる。今後は、新規顧客やファン層の開拓も課題となっている。
『Mrs. GREEN APPLE』の両ランキング躍進
リーチ力・支出喚起力ランキングでは『Mrs. GREEN APPLE』がリーチ力5位(前年18位)、支出喚起力11位(前年圏外)と大きく躍進した。音楽アーティストで両方にランクインしたのは2022年の『嵐』以来となる。
『Mrs. GREEN APPLE』ファンはライブ配信やファンクラブなど楽曲以外でも幅広く支出しており、ファン数も支出金額も拡大していることが特徴的だった。

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調査概要
調査名称:「コンテンツファン消費行動調査2025」
調査方法:インターネット調査
対象:全国15~69歳男女(全国7エリアを性年代別人口構成比で割付)
有効サンプル数:10,000
調査時期:2025年2月25日~3月13日
調査カテゴリ:「ドラマ・バラエティ」「アニメ・特撮」「マンガ・ライトノベル」「小説」「映画」「音楽」「ゲーム」「美術展・博覧会」「スポーツ」「レジャー施設・イベント」「特定のタレント・人物」
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