2026年のマーケティングにおける重要テーマ5つ
2025年、あらゆるビジネスがAIによって変化した。生活者側のAI活用が浸透、進化したことによって、企業のマーケティングのあり方も当然変わらなければならなくなった。今までの当たり前は通用しない。2026年のマーケティングを考えるとき、やはりその中心にAIがあるのは間違いないと思う。
AIエージェントが本格的に浸透していく中で、私たちはどのようなテーマに向き合っていくべきだろうか。そして、その本丸はどこにあるだろうか。2026年1月時点で考える2026年の重要テーマを5つ挙げたい。
1. AIネイティブな顧客理解
2. AIビジネスイネーブルメント
3. 大変化時代のカテゴリー創造
4. マーケティングのエンタメ化
5. 起業家精神の組織インストール
1.「AIネイティブな顧客理解」
本題に入る前に、重要な問いに向き合いたい。
「あなたのAI活用は、売上や利益を生んでいるか?」
2025年8月に発表されたMITのレポートによると、AIプロジェクトの実に95%が利益を生んでいないという。もちろん自動化・効率化の先で、売上・利益に貢献する活動に向き合えるのだという論もあると思うのだが、それほどドラスティックではないように思う。
私自身、大手企業やスタートアップ数十社の戦略に伴走する中で、AI活用を観察して見えてきたこと。それは、ある2つのエリアでAIを活用している企業が圧倒的にビジネス成果を生んでいるということである。
その1つは「AIを活用した顧客理解」だ。AI時代もビジネスの本質は顧客の創造である、と考えたとき、AIネイティブのマーケティングの最重要なエリアは「顧客理解」になるだろう。
顧客理解が重要であることは多くのマーケターが認識しているものの、結局顧客理解が進まずに苦しんでいる組織は多い。その背景には間違いなく構造的な問題があると思う。
BtoCのメーカーにとっては、言わずもがな、多くの顧客が小売や卸の先にいるため、顧客と直接的な接点を持つことが少ない。BtoB企業においては、マーケティング、セールス、カスタマーサクセスといった職能や、事業部ごとの組織の分断により、顧客接点がそれぞれに散らばっており、結局顧客理解が組織として進まない。
また、経営層、事業責任者層が、顧客に近い現場から離れてしまうことで、過去の顧客像や勝手に作り上げた顧客像を持っており、実態とずれているケースも少なくない(AIに関わらず、個人的には経営層や事業責任者層が顧客接点を持ち理解し続けることが、極めて重要であると考える)。
2025年、この「顧客理解」問題を、AIを活用して解決し始めている現場をいくつか見てきた。彼らはあらゆる顧客接点、たとえば顧客との商談、電話、インタビューなど様々な顧客接点の一次情報をAIで収集し、即時に分析することで、顧客理解における仮説を高速で立てている。
また、組織内でもこうして得た一次情報をもとにした顧客についての議論が巻き起こりやすくなり、組織全体で顧客理解の解像度が上がる。断片的であった顧客についての一次情報にタイムリーにアクセスできることが、組織全体の顧客理解を進め、マーケティングケイパビリティを拡張させる。顧客の一次情報を起点に、顧客理解を深める。高速で勝ち筋を見つける。マーケティングの本質である顧客理解こそ、AIで解決すべきイシューである。
