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「実践企業に学ぶ オウンドメディア成功の秘訣」イベントレポート

異例の協業はオウンドメディアから始まった。富士通とイシダテックが語る「仲間を増やす」企業発信の秘訣

 接点のなかった2社が、オウンドメディアをきっかけに協業する。そんなストーリーを実現したのが、富士通とイシダテックだ。富士通は言わずと知れたグローバル企業、イシダテックは静岡県焼津市を拠点とする機械メーカー。協業の経緯に追っていくと、これは偶然の賜物ではなく、お互いの発信に込められた工夫が作用していたことが見えてきた——。メディアプラットフォームで知られるnoteが主催するイベント「実践企業に学ぶオウンドメディア成功の秘訣」をレポートする本連載。今回は富士通 広報の桑原千明さんとイシダテック 代表取締役社長の石田尚さんに「仲間を増やす発信」の秘訣を聞いた。

両社が手を取り合うことになったプロセスとは?

——富士通さんとイシダテックさんは協業されましたが、そのきっかけはnoteを使ったオウンドメディアだったそうですね。詳しく伺えますか。

石田:まず協業の内容を簡単に説明すると、世界で初めて、冷凍ビンチョウマグロの“脂のり”を人間以上の精度で、かつ非破壊に自動検査する装置「ソノファイT-01」を一緒に開発しました。我々2社に加え、東海大学との3者による共同開発となります。

石田:これまで冷凍マグロの脂のりを調べるには、人間が尾を切って判定するしかありませんでした。そんな中、富士通さんは、マグロを破壊せずにAIで判定する基礎技術を3年ほどかけて確立されてきたのです。その技術をどう装置として実装するかというところで、イシダテックにお声掛けいただきました。そのきっかけがnoteだったんです。

 元々イシダテックのnoteをよく見てくださっていた方がいました。その方は富士通さんとつながりがあり、両社を引き合わせてくださったのです。

株式会社イシダテック
代表取締役
石田尚氏

 2012年に筑波大学大学院(工学)を修了。大学院修了後は、株式会社エル・ティー・エスに入社し、シニアコンサルタントとして複数の企業の変革プロジェクトを支援。
2015年に株式会社イシダテックへ転じ、2021年1月には株式会社イシダテックの代表取締役社長に就任。2024年、同社からカーブアウトする形でソノファイ株式会社を立ち上げ、代表取締役CEOとして新たな挑戦を続けている。現在は、「“秘密兵器”で現場の明日を支える」をミッションに、従来の強みを活かした事業を基盤としつつ、ハードウェアとソフトウェアを掛け合わせた付加価値の創出に注力する。note開始は2021年8月。採用広報をメインとして週一更新を掲げて取り組む。

——具体的にはどのような流れで声が掛かったのですか?

桑原:超音波AI技術については、2022年に東海大学さんと共同開発しており、その際に記者説明会を開き、プレスリリースも出していました。しかし、この技術を水産加工現場などに広めていくには、専用の検査装置の開発・製造が必要です。そのため、水産加工業に強い外部パートナー企業を探していたんです。

富士通株式会社
広報IR室 シニアマネージャー
桑原千明氏

 富士通株式会社の広報部門で長年PR業務に従事。プレスリリースや記者説明会、取材を通じたメディアへの情報発信に取り組み、ARやICも経験。2015年からグループ会社の広報部門で、公開Webサイトやお客様向け情報誌の制作、Web社内報の企画・運営を手がけた後、本社の事業部門で、より現場に近い立場で広報業務を推進。2018年に広報IR室に戻り、「可能性を追求し続け、世界中の人を笑顔(元気)にする」というパーパスのもと事業PRを牽引。2023年秋から広報の見せ方の革新にも着手し、同年11月に「Fujitsu PR note」を立上げ、メディアとのタッチポイントを拡大。2025年5月には、メディア向けの発信拠点「Press Room」を開設するなど、広報の進化に取り組み続ける。

桑原:そこで、2023年12月に富士通のnoteで「冷凍マグロの脂のりを検知できる超音波AI技術」に関する記事を公開しました。記事では実際にプロジェクトメンバーも登場し、記者説明会やプレスリリースでは伝えきれなかった、自身の想いや「官能評価」というマグロの味を試す様子なども紹介しています。

 今回引き合わせてくださった方はこのnoteも読まれていて、「イシダテックさんと組んでみてはどうですか」とつないでくださいました。

画像を説明するテキストなくても可
note記事「全体の5%程度しかない脂の乗ったビンチョウマグロを発見する 超音波AI技術と開発者の想い

プレスリリースとは違う見せ方が鍵に

——富士通さんが公式noteを開設したのは2023年11月。超音波AI技術の記事を公開したのは、それからわずか1ヵ月後なんですね。

桑原:そうですね。広報としてはこの技術をnoteで発信したいと考えていたものの、まだ開設から間もないのでプロジェクトメンバーが了承してくれるのか、不安もありました。ですが「広報の皆さんがそう言うなら」と、noteでの掲載をOKしてくれたのです。

 プレスリリースを読むのはメディアの方が中心ですが、noteは読者層が幅広いですよね。今回はnoteで記事を公開したことが、協業につながる大きな要因になったと思います。

——「noteではプレスリリースとは違う見せ方で発信した」という点も、両社をつないだ方の目に留まりやすかったのかもしれません。その後はどう進んだのですか。

石田:その方から直接、イシダテックのコーポレートサイトにお問い合わせがありました。それが2024年1月でしたから、富士通さんの記事が公開された1ヵ月後のことです。

 最初は信じられなかったですね。もちろん当時はその方と顔見知りではなかったですし、「これは怪しい話じゃないのか?」「騙されないか?」と(笑)。しかしその後、実際に引き合わせていただき、協業へと至りました。

桑原:画像上の「プレスリリースには載らない話」は、特にニーズが高いと考えて設けた項目です。また、テクノロジーカンパニーである当社には難しい技術がたくさんあるので、それらをわかりやすく解説するようなマガジンもあります。

 さらにはその技術がどう活用されているかを伝える記事、そして石田さんもお話ししていた「社内の人や取り組み」にスポットライトを当てた記事もつくっていますね。

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note株式会社(noteカブシキガイシャ)

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2026/01/06 09:00 https://markezine.jp/article/detail/50255

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