SNS時代の情報伝搬は「N対n」へ
オウンドメディアやペイドメディアのようにSNSを使う方法は、いわば「1対n」の発想をベースにしている。だがアーンドメディアの観点でSNSマーケティングを行うには、「N対n」の発想が重要だ。ここを解説するために、SNS時代の情報伝搬について触れておく必要がある。
マスメディアが情報発信の主体だった時代の情報伝搬は、1対nの形を取っていた。

「アカウント運用」のベースにある発想はこの図で、一次的なメディアパワー効果しかない
しかしSNSの台頭で、情報伝搬の形は次の図のような「1対n対n」や「N対n」に変化した。

要するに、情報発信の主体は一般ユーザーにまで広がり、発信者と受信者は1対nという一方的な関係に留まらなくなったのだ。これまでは企業アカウントが「発信者」として自社情報を複数人の「受信者」に届けることしかできなかったが、その情報を受け取った受信者は、いまや商品のクチコミを出す発信者にもなったということだ。
いかに「ユーザー間で広げてもらうか」がカギに
情報伝搬がN対nになった理由として、SNSの台頭により個人がメディア化した点が大きい。SNS上の一般ユーザーアカウントは、いわば「パーソナル(個人)メディア」だ。SNSを含む「ソーシャル(社会)メディア」は、数千万の「パーソナルメディアの集合体」という概念で捉えられる。
そこで注目したいのが、UGCの活用である。「UGC」とはUser Generated Contentsの略語で、一般ユーザーが生成したコンテンツを指す。言い換えると、一般ユーザーの「クチコミ」だ。
つまりN対nの情報伝搬に基づいたSNSマーケティングを行うには「自社に関するUGC=クチコミをいかにパーソナルメディアに載せてもらい、一般ユーザー間で拡散の輪を広げてもらうか?」という考え方が、ポイントとなってくる。
N対nの情報伝搬に則ってUGCを活用し、UGC数を最大化する方法を考えるのが、アーンドメディアを活用するマーケティングに求められる視点だ。
