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データで見抜くSNSマーケティングの罠

SNSでモノは買われているか?フライホイール型の購買行動「ULSSAS」を理解する

 SNSマーケティング支援会社のホットリンクが、SNSに関する間違った固定観念を払拭する知識を紹介する本連載。ここまで様々な切り口でSNSマーケティングの固定観念を解説してきたが、「そもそも本当にSNSでモノは買われているのか?」と、疑問を持つ人もまだ一定数いるのではないだろうか。今回はSNS時代における購買行動について解説する。

そもそも人はSNSでモノを買っているのか

 「あなたの会社の商品やサービスは、SNSでの認知をきっかけに買われている」

 マーケティング担当者やブランド責任者の中には、もしかしたらピンとこない人もいるだろう。「周囲ではそういう動きがあるのかもしれないが、実感が湧かない」といったように、「なんとなく」そのような空気感を覚えてはいるものの、そのロジックを把握しきれていない人もいるかもしれない。

 SNSでモノが買われている背景にあるのは、購買行動の大きな変化である。

 連載第1回でも少し触れた話だが、SNSの台頭以降「検索行動」は2種類に分かれた。ひとつはGoogleやYahoo!などの検索エンジンを使う方法。もうひとつは、TwitterやInstagramなどのSNSで検索する方法だ。

 具体例として、友人と箱根に温泉旅行に行く計画を立てているユーザーを挙げてみよう。ユーザーは、まずInstagramで「#箱根旅行」と検索する。検索結果から気になる観光スポットや飲食店、旅館の写真を見つけたユーザーは、他の人の投稿から飲食店名や旅館名、位置情報などを確認。その後、飲食店の住所を調べたり旅館の予約をしたりするためにGoogleやYahoo!で検索を行う。

 それから、ユーザーはInstagramで調べた箱根の観光地や飲食店、旅館に赴いて写真を撮る。最後にハッシュタグや位置情報をつけて、写真をInstagramに投稿する。

 これがSNS時代ならではの、検索行動を通じた購買の形だ。SNSをきっかけにした認知により、購買が発生しているのである。

 また、このユーザーは最初に自分が他の人のクチコミを参考にして購買に至ったのとまったく同じ機会を、意図せずして他のユーザーにも提供している。箱根旅行の計画を立てている別のユーザーが、件のユーザーが投稿した飲食店や旅館のクチコミを見て購買に至ることもあり得るだろう。

若年層の情報収集元トップはSNSに

 SNS検索の伸長ぶりは、数字上のデータからも明らかだ。

 「SHIBUYA109 lab.」が実施した2018年8月の調査によれば、15~24歳の女性の82.9%は、遊びに行く場所に関する情報収集でInstagramを活用していることがわかった。GoogleやYahoo!などの検索エンジンの利用率は、Instagramに次いで57.8%。Instagram検索の方が上回っている(SHIBUYA109 lab.「around20のハッシュタグの使い方を徹底調査!」)。

 2019年12月、一都三県在住の大学生(男性300人/女性300人)に同研究機関が行った調査でも、SNS検索が重視され始めていることがうかがえた。参考にしている情報収集元を聞いたところ、結果は男女ともに1位がTwitter。男性は62.3%、女性は67.7%だった。検索エンジンの回答率は男性が57.7%、女性は54.0%で、こちらの調査でもSNS検索に次ぐ結果となった(SHIBUYA109 lab.「イマドキ男子の実態調査-大学生の男女比較-」)。

 いまやSNS検索は男女を問わず(特に女性の傾向は顕著である)、若年層を中心に盛んに行われているのだ。少なからぬ人たちがSNS検索を通じて商品やサービス、店舗などの情報を見ているとなれば、企業側としては良いクチコミをできるだけ多く増やす必要性はあるだろう。

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この記事の著者

私がエレン(ワタシガエレン)

株式会社ホットリンクのライター/編集者。2017年より未経験からライター職をスタートし、前職の人材ベンチャー企業では各種オウンドメディアでライティングや編集を行う。現在はホットリンクでオウンドメディア運営やコンテンツ制作に従事。オウンドメディアではSNS上のトレンドからマーケティングに関することを調査・考察する記事企画や、ホットリンクが提唱するSNSマーケティングのノウハウを伝えるコンテンツ、様々な業界のプロフェッショナルへの取材記事などを発信している。
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※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/08/28 07:00 https://markezine.jp/article/detail/34112

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