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パートナーシップで地域を活性化!V・ファーレン長崎とゼンリン「STLOCAL」が仕掛けた施策とは


スタジアムシティ開業後も新たな取り組みを開始

――2024年10月にスタジアムシティが開業し、新たな取り組みも始まっているそうですね。

北島:はい。スタジアムシティの開業は、遠方から多くのファンやサポーターが長崎を訪れる絶好の機会です。私たちは、来場者にスタジアムの素晴らしさを感じてもらいつつ、試合の前後でいかに長崎全体を周遊してもらうかを一番の重要課題としています。そこで、新たなアプローチを2つ追加しました。1つは、特別な観戦席「STLOCAL長崎観光ペアシート」です。

――STLOCAL長崎観光ペアシートはどのような席なのでしょうか?

北島:メインスタンド側にあるテーブル付きのペアシートで、テーブルには長崎県内21市町の地図をデザインしました。22種類のヴィヴィくんイラスト(21市町+長崎県)が描かれており、着席した方が長崎の魅力を知るきっかけになるよう工夫しています。この席は、クラブの通常のチケットサイトからではなく、STLOCALのアプリをダウンロードしないと購入できません。

 チケットには、長崎市内の居酒屋で使えるドリンクチケットや、路線バス、路面電車の一日乗車券の購入権も付帯させており、試合前後の観光周遊を促しています。

――もう1つのアプローチについて教えてください。

北島:もう1つは、V・ファーレン長崎公式サイトに特設LP(ランディングページ)を設けたことです。アウェイのファン・サポーターは、自分のチームが一番好きなので、V・ファーレン長崎の要素が強すぎると違和感を覚えさせてしまう可能性があります。そのため、ページには中立的で愛されるキャラクターであるヴィヴィくんを主役にし、長崎の街の魅力を紹介するコンテンツを充実させました。このページは、Twitter(現X)で告知したところ、多くの反響をいただき、実際にページを訪れたユーザーからは「ここ行ってみたい」「美味しそう」といったコメントを多数いただきました。

取り組みを通じて得られた学びと今後の展望

――ゼンリン様との取り組みを通じて、どのような学びが得られましたか?

北島:パートナー営業活動において、企業が抱える様々な課題に真摯に向き合うことの重要性を学びました。当初の提案では「STLOCALを一緒に広げる」という本気のモチベーションが足りていなかったと反省しています。しかし、その企業の一員になったつもりで課題と向き合うことで、新しいアイデアが生まれることに気づかされました。私たちの目標はV・ファーレン長崎を応援してくださる企業や仲間たちの課題解決を一緒に考え、長崎をより良くしていくという姿勢をこれからも大切にしていきたいです。

――今後の展望についてお聞かせください。

北島:長崎スタジアムシティは、民間の力で、収益を上げられることを証明するモデルケースとなることを目指しています。もし長崎で成功すれば、他の地域でも同じように民間主導の地域創生ができることを示せると信じています。

 ゼンリン様との取り組みも同様です。STLOCALというサービスがビジネスとして成功し、観光周遊の成果を上げることができれば、このサービスは全国47都道府県に広がっていくはずです。私たちのクラブがハブとなり、ビジネスと感動を両立させながら、地域に貢献していくことを目指します。そして、全国に長崎の魅力を発信し続けたいと思います。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/10/08 10:08 https://markezine.jp/article/detail/49891

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