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「ウェブを軸にして攻めに転じる際にCMSは大きな武器」 
CMS Conference 2008レポート

2008/12/01 23:19

CMSの祭典が開幕

 「CMS Conference 2008」は、2007年4月に設立された日本ウェブ協会のCMSワーキンググループが中心となって開催されたもので、今回は「経営戦略実現に向けて、CMS導入成功例から学ぶ戦略デザイン」をテーマに、同ワーキンググループによるCMS製品の比較の発表のほか、事例紹介やパネルディスカッション、導入企業サイドの経営者、ウェブマスター、ウェブ制作者それぞれの視点に立ったセミナーなどが行われた。

 開会の挨拶に立った森川眞行日本ウェブ協会理事長は、「不況もあって守りに入りがちな昨今だが、ウェブを軸にして攻めに転じるために、CMSは大きなツールになる。後ろにCMSという仕組みがあれば、ウェブは使いやすく、間違えず、素早く出来て、大量に情報を発信できる。企業や官公庁の(CMSが必要とされるような)大規模サイトを管理されている方々に、このカンファレンスを通して、CMSが役立つツールだということを、よりわかりやすく伝えていきたい」と述べた。

ウェブサイトは、「ブランド育成」「マーケティング」「サポート」といった
これからの時代を勝ち抜くための3要素を企業にもたらす
ウェブサイトは、「ブランド育成」「マーケティング」「サポート」といったこれからの時代を勝ち抜くための3要素を企業にもたらす

CMS導入の際に忘れがちなポイント

 午前中のセッションでは、株式会社キノトロープ代表取締役の門別諭氏が「急速に変化するビジネスとWebを支える情報基盤」と題した基調講演を行った。門別氏は、CMS導入の際に忘れがちな重要なポイントとして、CMSには表のユーザーと裏のユーザーがいることを挙げた。

 表のユーザーとはウェブサイトの利用者であり、裏のユーザーとはコンテンツ管理を行う人である。今までCMS導入する現場ではどちらかしか考えられないケースが多く見られた。例えば表しか見ていないと、コンテンツ管理の仕組みが難しくて使えなかったり、権限が整理されていなくてデータは登録したのにスムーズに公開できなかったりといった弊害が起きてきた。

 一方で、HTMLが書けなくても簡単にウェブページを作成できるという視点でCMSが捉えられることもある。しかし、ウェブサイトの利用者に提供するのは、ページではなく、コンテンツだ。まず自社のウェブサイトを訪問するユーザーに、どういうコンテンツを伝えたいのかを明確にすることが重要。サイトの構造やページ構成はそのあとの話になるという。

 CMSを実際に導入する際には、ビジネスモデルやターゲット、スケジュール、予算を含めたRFP(提案依頼書)をまず作成する。予算に応じて導入ソフトウェアも決まるので、RFPは重要だという。そして、提供したいコンテンツをマップしていく。このとき、それぞれのコンテンツを持っているのは誰か、それを編集し承認する権限は誰が持つのかといった運用フローも最初から設計することが重要だと語った。

 また、開発後に忘れられがちな点として、コンテンツの移行や入力があるという。「コンテンツは勝手に入ってくれるわけではない」と語る。また「いいランディングをするためにはマニュアルやトレーニングが必要」であるともいい、CMSを導入することが目的ではなく、ユーザーにコンテンツを提供し続けることであり、そのために提供コンテンツを考えていくことや、運用フローが重要だと語った。

CMSワーキンググループ

 基調講演に続いて、本日の実質的な主催でもある日本ウェブ協会のCMSワーキンググループが、白旗保則氏(グローバルデザイン株式会社代表取締役)を司会として「サイトの目的によって適切なCMSを選ぼう」と題した研究発表を行った。

 CMSワーキンググループでは「CMS製品研究とその成果による製品カテゴリー表の作成」などを主な活動内容とし、月例でミーティングを行うなど、活発に活動している。今回の発表は、その中間報告的なものになる。

 発表の前提として、自動車を例に取り、車を買うときにポルシェと軽自動車と同じ土俵に乗せて比較はしないように、CMSにおいても目的や予算に応じて、スポーツカー、トラック、軽自動車といった「カテゴリー分け」が必要だという認識を示した。その上で、数多くあるCMS製品群をサイト規模によって3つのグループに分け、それぞれを導入するモデルケースを提示した。

 CMSワーキンググループでは、今後も製品カテゴリーの表の作成に注力し、今回発表された「サイト規模」のほか、「経営」などいくつかの評価軸に沿って分類していきたいとしている。その成果は、第2回のCMS Conferenceやウェブなどで継続的に報告し、将来的にはCMSを調達する際のRFPのようなものを提供したいとしている。

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