約1年半で250万人を集める急成長中のWebサービス
さまざまな形式のデジタルデータを取り込め、プラットフォーム、デバイスを選ばずにアクセス、管理が可能となるWebサービス「Evernote(エバーノート)」の日本語版がはじまった。
「Evernote」は2008年6月に一般公開され、現在までで約250万人のユーザーを集めている急成長中のWebサービス。基本的な機能は無料で利用できるが、有料版も用意されている。どのプラットフォーム、デバイスから利用しても情報が自動的に同期され、デバイス間での情報交換が軽減できる点が特徴の1つとして挙げられている。
サービスを一般公開してから最初の1年はアメリカのユーザーが大部分を占めていたが、それ以降は他国のユーザーも急増。直近の1年では、日本のユーザー数が急激に伸びているようだ。
米エバーノートは、この傾向を踏まえ日本語版の提供開始を決断。日本語版は、当初2010年の夏にリリース予定だったが、日本語版を望むユーザーの協力を得て、大幅に予定を短縮しリリースすることができたという。
一方、現在Evernoteを利用しているユーザーがどのようなプラットフォーム、デバイスからアクセスしているのかというと、ほとんどのユーザーが複数のプラットフォーム、デバイスからアクセスしている傾向にあるようだ。その中で急速に伸びているのが、アンドロイドからのアクセスだという。
Evernoteは人間の脳を拡張したサービス
日本語版の提供開始に際し来日した、米エバーノート CEO フィル・リビン氏は「Evernoteを一言で表すと『外部の脳』と言えます。関心のある情報をデジタルデータ化すれば、Evernoteに蓄積することができます。また、プラットフォーム、デバイスを選ばずに情報を溜める、取り出すことができ、蓄積された情報は同期もされます。つまり、ユーザーはいつ、どこで情報を蓄積するのかを気にする必要なく、あらゆる情報を記憶することができるのです。そういった意味でEvernoteは『人間の脳を拡張したサービス』と言えるのではないでしょうか」とEvernoteの価値を端的に語った。
また、日本語版の提供にあたって日本国内の各社も共鳴。キヤノン、ソニー、ドコモ、インフォテリア、Eye-Fi Japanなどが、同社とのコラボレーションを発表。急速に成長するEvernoteへの関心の高さが伺えた。
最後に、今後の展開についてフィル氏は「90日以内に日本法人を設立する予定で動いています。日本法人では、フルタイムの従業員を採用し、開発、マーケティング、ユーザーサポート、アライアンスなどを日本に即した形で展開していきます」と強調。また、現在は「データの保存・管理」という目的での利用が多いEvernoteだが「ソーシャルメディアサービスと連動させるなど、さらなるサービス拡張も考えています」(フィル氏)と示唆。
急成長中のサービスを開発するベンチャーらしい、熱気あふれる記者会見となった。
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