今回のプロジェクトは、立教大学経営学部の佐々木宏ゼミと富士通の共同プロジェクトとして2014年4月よりスタート。「学生に身近な社会課題を、富士通の技術を利用して、新商品・サービスを提案する」をテーマに新商品・サービスを学生が企画。その企画に対して富士通の共創ファシリテーターや技術者がフィードバックする形で企画をブラッシュアップし形にしていった。
11日の発表会では、学生たちが新商品・サービスのアイデア概要を、映像などを使いながら90秒で紹介。その後、場所を移し、特設ブースにて、グループごとにパネルやタブレット端末を使いながら、来場者へ企画の詳細を説明。学生たちの企画は富士通社員や大手広告代理店に勤務する外部審査員などにより、市場性、将来性、新規性、生活者視点の4点から厳正な審査を受けた。
審査結果は、すれ違い通信技術や、富士通独自のSPATIOWL(スペーシオル)と呼ばれる位置情報サービスの技術を用いて、他人のファッション情報を交換するアプリ「ファストパス(ファッション ストリート・パス)」を提案したグループが、「あしたのコミュニティーラボ賞」を受賞した。
今回のプロジェクトを推進した立教大学経営学部の佐々木宏教授は、今回の取り組みの成果について次のように述べている。
「本プロジェクトは、実務界で広がりつつあるアイデアソンを実践したもので、産学連携の取り組みとしては、おそらく日本で初めての機会ではないかと思います。目的は、富士通の最先端技術と、学生ならではの斬新な発想をぶつけ合い、新しい社会的な価値創造にチャレンジするところにありました。その成果は、7つの企画としてまとめることができました。
もう一つの重要な成果は、本プロジェクトを通じて、アイデアソンの推進プロセスのひな形ができたことです。講義の現場では、アイデア出しから企画の作成まで、富士通のプロフェッショナルと学生が一体となった、まさに知的マラソンが繰り広げられました。試行錯誤のプロセスの中に、アイディエーションやプロトタイピングなどさまざまな手法が投入されていきました。何度も発散思考と収束思考を繰り返しながら企画を作り上げたプロセスの中に、新しいアイデアソンのかたちが見えてきたと感じています」