ニールセンが「東南アジアにおけるオンライン利用者のメディア視聴動向調査」の結果を発表した。東南アジアにおけるメディアコンテンツの消費は近年急激な変化を見せている。結果として、ブランドが消費者とつながる機会も急速に増加している。同社レポートによると、東南アジアでは、インターネット接続デバイスの普及により、メディア消費(いつ、どこでそしてどのようにコンテンツにアクセスするか)に関して消費者が主導権を握るようになっていることがわかった。
オンライン利用は週平均22時間、メディア視聴にも変化
調査の結果、東南アジアにおけるデジタル消費者の80%がスマートフォンを所有し、デジタル環境にアクセスできる世帯の半数(50%)がタブレットを所有していることがわかった。また、東南アジアの消費者は、平均して週22時間強をオンラインの利用に費やしている。この値は2011年調査時の週約19時間を上回っている。特に、フィリピンの消費者が週平均26時間42分と最もよくデジタル環境にアクセスしている。これに続くのは週平均25時間12分のシンガポール。
また、インターネット接続デバイスの普及拡大およびオンライン利用時間の増加と並行して、消費者のメディア視聴の傾向も変化している。10人中約9人が普段から2画面を同時に視聴し、そして10人中8人が3画面同時に視聴している。
オンラインビデオコンテンツ消費が台頭
豊富なビデオコンテンツのプラットフォームとなっているのは、依然としてテレビ放送だが、他媒体の伸長も見て取れる。東南アジアでは10人中6人を超えるデジタル消費者が、テレビ番組や映画をビデオ・オン・デマンドなどのオンラインで観ていると回答した。なお、インターネットテレビの普及率が最も高いのはタイ(76%)とフィリピン(71%)。
オンラインビデオコンテンツの視聴は東南アジアのデジタル消費者の間で余暇の過ごし方として定着し、大多数が少なくとも週に1度はオンラインビデオを観ている。東南アジア地域で最も視聴頻度が高い国はベトナム(91%が週に1回以上視聴すると回答)。しかし、同地域で最もインターネットが普及しているシンガポールでは、オンラインビデオ視聴について最も低い数値が出た(週に1回以上視聴すると回答したのは56%)。
なお、ビデオ・オン・デマンドの視聴に使われている端末は、ノート型/デスクトップパソコン(85%)、携帯電話(43%)、タブレット(33%)の順になっている。
広告付きの無料コンテンツを好む傾向
東南アジアの消費者は、コンテンツ視聴に対価が伴うことを認識・理解している。大多数がオンラインビデオコンテンツに料金を支払うか、視聴中に広告が出てくることを予測していると回答している。また、広告がないか制限されているペイ・パー・ビューモデル(視聴コンテンツの本数や時間に応じて課金)ではなく、宣伝付きのオンラインビデオコンテンツに無料でアクセスできる広告モデルの方が好ましいとするのが多数派となっている。しかし、インドネシアは例外で、広告つきの無料コンテンツのほうが良いとするデジタル消費者は44%だった。
【調査概要】
調査期間:2014年4月~5月
対象国:インドネシア、マレーシア、シンガポール、タイ、フィリピン、ベトナム、インド
対象人数:16歳以上のインターネットユーザー1,000 人
調査方法:オンラインアンケート
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