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Eコマース・小売だけじゃない!他業種やオフラインへ広がるデータフィード広告の活用

データフィード広告を牽引する商品リスト広告へ急激な予算シフトが起きている/その進化の経緯に迫る

商品リスト広告の拡大を阻害する要因

 急拡大する商品リスト広告の需要に対応するため、Googleも対応を強化しています。商品リスト広告は「検索連動型広告+Googleショッピングへの掲載」という仕様のため、コマーシャルクエリと呼ばれる購買意向がある程度見込まれる検索クエリの回数がそのまま広告の在庫数になります。つまり、購買に繋がる検索数が増えない限り、どこかで規模の拡大が頭打ちになってしまう構造です。

 また、商品リスト広告は画像や価格などの商品情報を検索結果に表示する仕様のため、通常のテキストが表示される検索連動型広告より検索結果に表示面積が必要です。検索数だけでなく、広告の表示面積という意味でも拡大が制限されている広告でした。

 さらに、表示面積の少ないスマートフォンの急速な伸びも、商品リスト広告の表示形式にはマイナスに作用しました。拡大する商品リスト広告の成長率を維持するためには、表示形式以外での広告在庫の増加こそが差し迫った重要な課題だったと推測できます。

ショッピング向けAdSense

 そこで2014年9月に登場したのが、「ショッピング向けAdSense」と、「商品リスト広告の検索パートナーへの拡大」です。

参照:Inside AdWords: Extend the reach of your Product Listing Ads to qualified shoppers

 このショッピング向けAdSense(AdSense for Shopping)は、小売系のサイトに特化した AdSense の新しいユニットで、商品リスト広告のみこの枠のオークションへ参加することができます。

 リリースにもあるように、AdWordsの広告主は、ショッピングキャンペーンの設定で「Google検索パートナー」が有効になっていれば、ショッピング向けAdSenseのあるサイトでのサイト内検索をしたユーザーに広告を表示することができます。AdSenseを貼っているサイト側からすると、検索向けAdSenseの商品リスト広告版ということになり、既に存在しているコンテンツ向けAdSenseと棲み分けることが可能です。

 ショッピング向けAdSenseがあるサイトは、2014年9月のリリース時にはWalmart.comしか公開されていませんし、参加するにはフォームから申請する必要があるため、普及しているコンテンツ向けAdSenseのように大小さまざまなサイトが大量にあるというよりは、一部のショッピングモールや比較サイトなどが中心になっていくのではないかと考えられます。

商品情報とフィード広告のこれから

 一般には、「サイト上の広告枠=ディスプレイ広告」として認識されており、アドテクの話題はディスプレイ広告のターゲティングに偏りがちですが、サイト内検索にはユーザーのその瞬間の興味が明確に現れていますので、興味関心をわざわざ類推するよりも関連性の高いターゲティングが可能だと考えられます。商品リスト広告のクリック単価が高いことと合わせて考えると、ショッピングサイトの収益化にとってもコンテンツ向けAdSense枠に表示されるリターゲティング広告よりもプラスに働く可能性も期待できます。

 ショッピング向けAdSenseは、商品リスト広告を利用する広告主が増加し、広告在庫を拡げる必要に迫られたからこそ出てきた仕組みです。ショッピング向けAdSenseによって、商品情報の活用性はますます拡がっていくと同時に、商品情報の活用がEコマースのマーケティングにおいて非常に重要なカギを握ることが改めて明らかになったような気がします。次回は、商品情報以外のデータも広告として利用できるようになり、ますます進化していくフィード広告の最新情報をお届けします。

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この記事の著者

岡田 吉弘(オカダ ヨシヒロ)

ソフトウェアハウス、広告代理店勤務を経て2006年にグーグル株式会社に入社。広告代理店・広告主向けに、最大手からベンチャー企業まで幅広くアドワーズ広告の啓蒙・拡販に従事。2011年よりアタラ合同会社取締役CCO。検索エンジンマーケティング黎明期から一貫としてアカウントマネジメントの現場を主導し、数多くの業界や様々な企業規模のクライアント・パートナーとのプロジェクトを経験を有する。

■関連リンク
ATARA合同会社「admarketech.」「Unyoo.jp」

■著書
『実践 インハウス・リスティング広告 丸投げ体質」から脱却するSEM成功の新条件』
『リスティング広告 プロの思考回路』
『ザ・アドテクノロジー』
『いちばんやさしいリスティング広告の教本』

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2014/11/18 08:00 https://markezine.jp/article/detail/21359

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