2025年10月9日、マクロミルと三菱UFJリサーチ&コンサルティングは、国内の15歳~69歳から2,000人の有効回答を得た「2025年スポーツマーケティング基礎調査」速報版を発表した。本調査は、スポーツへの関心や消費行動の現状と変化を明らかにするために毎年行われている。
本稿では、アンケートデータをもとに「野球人気と阪神タイガースファンの増加」「推し活における消費傾向」「好きなスポーツ選手ランキング」の3点に焦点を当てて紹介する。
野球人気が上昇、阪神タイガースファンが急増
最も好きなスポーツは「野球」で、調査開始以来22年連続で首位となった。野球は上位のスポーツで唯一人気がさらに上昇した。

日本プロ野球のファン人口は前年比0.4%増の2,218万人で横ばいとなった一方、球団別では阪神タイガースが477万人と前年比14.9%増の大幅増となり、全球団中最多となった。他球団に比べ阪神ファンの増加が際立っており、今年の特徴的な現象といえる。

推し活の実態と消費傾向
スポーツ関連の「推し活」を行う人は男性の9.9%、女性の4.7%と一定数存在している。過去1年間の「推し活」に使った消費額では「1万円~2万円未満」が23.1%で最多となった。

利用目的は観戦チケットや応援グッズ、レプリカユニフォームなどが多い。また、10万円以上を消費した高額層も9.0%みられた。推し活が消費行動に与える影響は無視できず、スポーツ団体の今後のマーケティング方針にも関わるポイントとなりそうだ。
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好きなスポーツ選手、海外活躍選手が上位
「好きなスポーツ選手」ランキングでは、大谷翔平選手が8年連続で1位となった。2位は三笘薫選手(3年連続)、3位にダルビッシュ有選手、4位に山本由伸選手と、海外で活躍する選手が上位を占めている。特に米メジャーリーグ所属選手の人気の高さは顕著だ。また、SNSを通じた情報発信やメディア露出の増加も選手人気を後押ししている可能性がある。

このほか、スポーツへの関心層が全体の65.9%とやや減少した一方で、スポーツ参加市場規模は約1.7兆円で昨年と同水準だった。
![スポーツの位置付け [単数回答] (各年n=2,000)](https://mz-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/50032/50032_07.jpg)

スタジアム観戦者の割合は19.6%とやや低下したが、観戦回数の平均は4.2回と微増した。情報入手元では「テレビのニュース」利用が依然最多ながら減少傾向、「動画配信サイト」の利用が増加している。
![スポーツに関する情報の入手メディア(3つまで回答) [複数回答] (n=2,000)](https://mz-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/50032/50032_06b.jpg)
調査概要
調査方法:インターネットリサーチ
調査対象:全国の15歳(中学生を除く)~69歳のモニター会員
有効回答数:2,000人(男性1,000人、女性1,000人)
調査期間:2025年9月2日~4日
共同調査:マクロミル、三菱UFJリサーチ&コンサルティング
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