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MarkeZine Day 2025 Autumn

富士通11万人の変革を牽引する「螺旋的拡大戦略」とは?少数精鋭でデータドリブン経営を根付かせる実践知

 データ基盤や分析ツールを導入するだけでは、真のデータドリブン経営は実現しない。それらを戦略に落とし込み、現場で徹底的に活用できる「強い組織」を構築するには、どのような仕組みが必要なのだろうか。富士通では、わずか十数名のチームが11万人規模の行動変容、組織変革を推進している。2025年9月10・11日開催の「MarkeZineDay 2025 Autumn」に、同社で変革をリードする浅村一冬氏が登壇。組織を連続的に進化させる「3段階サイクル」と、その裏側にある戦略的アプローチを解説した。

不確実性が高まる時代に求められるデータドリブン経営への転換

 外部環境の変化が激しさを増す中、富士通は「パーパスドリブン」「データドリブン」を変革の両輪と位置づけ、全社的な取り組みを加速させている。

 「気候変動やパンデミック、地政学的リスクなど、非常に不確実性が高まっている外部環境において、企業にはステークホルダー資本主義やサステナビリティで主導的役割がより強く求められています。私たち富士通はテクノロジーカンパニーとして、DXを通じて社会課題解決に貢献することが期待されていると考えております」(浅村氏)

 こうした期待に応えるべく、富士通は2つの大規模経営変革プロジェクトを推進している。1つは、全社DXプロジェクト「FUJITRA(フジトラ)」による、経営から現場まで一体となった自己変革の実行。そしてもう1つが、「OneFujitsu」プロジェクトを通じた、変革開始時に4,000以上もあったシステムと複雑な業務プロセスの標準化・最適化だ。

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当日の投影資料より(以下、同)/クリックすると拡大します

 これらの取り組みの結果、現在では自身のパーパスを深堀するワークショップ参加者やデータ利活用プラットフォームの利用者が8万人超に上り、データによる経営資源の可視化が着実に進んでいる。

CEO直下組織が担う、全社データ利活用スキーム

 全社で経営変革プロジェクトが進む中で、データドリブン経営実践をリードしているのが、2021年に設立されたCEO直下の専門組織、データアナリティクスセンター(DAC)だ。DACは、経営戦略に直結する「データ活用の推進」と、全社を巻き込む「行動変容の促進」を両輪とし、データドリブン経営の全社的な強化を牽引している。

 「DACのミッションは、グローバル標準化戦略のもと、全社データドリブン強化推進をリードすることです。データ・デジタルの活用だけでなく、組織・個人の行動変容という側面も重要な柱として位置づけています。データドリブン経営は、皆さんご承知の通り、ツールを入れるだけでは決して実現しません。最終的には組織や個人の意識と行動が変わることが必要不可欠です」(浅村氏)

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富士通株式会社 CEO室 データアナリティクスセンター シニアディレクター 浅村 一冬氏

 まさにこの思想を具現化するため、DACはデータ活用環境の整備やビジネスインサイトの創出といったデータ面の支援に加え、組織・個人の行動変容を促すプログラムの展開や、組織横断のデータコミュニティ創出まで、多岐にわたる取り組みを推進している。

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組織変革を加速させる3段階サイクル「DataPractice」

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/10/27 08:30 https://markezine.jp/article/detail/49908

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