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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2026 Spring

MarkeZine Day 2025 Autumn

KDDIが実践する、統合コミュニケーションの全貌 データ、AI、組織など5領域で実現する全体最適化

 顧客接点が多様化し購買プロセスも複雑化する中、ブランドコミュニケーションの全体最適を実現し、限られた予算で成果を最大化するにはどうすればよいのか。2025年9月に開催されたMarkeZine Day 2025 Autumnでは、データドリブンなコミュニケーション最適化を推進するKDDIの馬場氏から、幅広い事業を手掛ける同社が実現する統合的なコミュニケーションについて語られた。約8年間にわたって同社が取り組んでいる、コミュニケーションの全体最適化に向けた5領域の改革を紐解く。

最上位KPIは「ブランド好意」KDDIのコミュニケーション戦略

 「『つなぐチカラ』を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる。」というビジョンを掲げ、通信とデータ、生成AIを事業の核に、DX・金融・エネルギーといった周辺領域を組み合わせて新たな価値を提供する「サテライトグロース戦略」を推進しているKDDI。同社が展開するブランドのうち、主に「au」と「UQ mobile」の広告宣伝を担う馬場氏は、まずコミュニケーションの目的について説明した。

 「我々はコミュニケーションの最上位KPIを『ブランド好意』に置いています。短期的に事業に直結する成果(販促)と、将来的に事業貢献につながるブランド好意の蓄積(ブランディング)の双方が、コミュニケーションの役割と位置付けています」(馬場氏)

KDDI株式会社 渉外・コミュニケーション統括本部 ブランド・コミュニケーション本部長 馬場 剛史氏
KDDI株式会社 渉外・コミュニケーション統括本部 ブランド・コミュニケーション本部長 馬場剛史氏

 この基本方針のもとKDDIでは、統合コミュニケーションの実現に向けた活動に取り組んでいる。統合コミュニケーションとは、「顧客とのあらゆる接点で一貫性のあるブランド体験を提供し、ブランドへの興味喚起や好意獲得を実現してマーケティング施策の効果最大化を目指すこと」と馬場氏。その実現のため、同社はプランニング・クリエイティブ・メディア・データ分析・人材育成・組織改革など、幅広い領域で取り組んできた。

コミュニケーションで抱えていた2つの課題

 馬場氏が広告宣伝の役割を担うことになった2018年当時、KDDIのコミュニケーション領域には二つの大きな課題があったという。一つ目は「広告宣伝費の削減」だ。社内で広告宣伝は短期的な経費と見なされることが多く、全社的なコスト削減の局面で真っ先に削られる領域だった。広告宣伝費が減るとコミュニケーション量が減少し、店頭でのブランド存在感が希薄化した結果、ブランド想起やブランド好意の低下につながってしまう。

 二つ目は「広告代理店への依存体質」である。当時は、広告代理店へオリエンテーションを行い、プランニング、クリエイティブ提案のすべてを代理店が担当。上がってきた制作物に対して評価をする流れであった。そのため、社内にスキルやノウハウが蓄積されない状況にあった。

 これらの課題克服のため、馬場氏はコミュニケーションをブランドへの投資として社内に理解してもらうとともに、最小経費での効果最大化の実現、メンバーのスキルアップへの取り組みをスタート。約8年間を通して、以下の5つの重点領域に取り組んだ。

  1. MMMの導入
  2. A‐UR指標によるテレビデバイスの運用
  3. AIによるクリエイティブ制作
  4. 「KDDI Marketing University」の開設
  5. 組織改革と役割横断のプロジェクト型運用

 これらの取り組みによって効果を最大化しながらコストを抑制し、そのコストを新しいチャレンジに投じる好循環の創出を目指している。この各取り組みについて馬場氏は、順番に説明していった。

次のページ
KDDIは統合コミュニケーションと投資対効果の最適化にどう挑んだのか?5つの取り組みを紹介

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この記事の著者

吉永 翠(編集部)(ヨシナガ ミドリ)

大学院卒業後、新卒で翔泳社に入社しMarkeZine編集部に所属。学生時代はスポーツマーケティングの研究をしていました。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/12/16 09:00 https://markezine.jp/article/detail/50006

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