Z世代女子の「失敗したくない」「迷いたくない」というインサイト
今月紹介する令和の女の子のインサイト、テーマは「もう迷いたくない!」です。
情報が溢れ、多様性が謳われる時代を生きる私たちは、一見自由なようで、「情報の多さ」「選択の多さ」「変化の速さ」を目の前に、何が正解か・何を選べばいいかがわからず、逆に身動きが取りづらくなっています。そんな中で、女の子たちの間で強まっているのが「もう迷いたくない!」という気持ちです。
これまでの連載の中でも度々触れてきましたが(参考)、特に令和の女の子たちは、時間やお金の価値に対してシビアです。だからこそ、時間をかけて迷ったあげくに失敗する「無駄」を極力避けたい、という意識が高まっています。
実際に、昨今のトレンドを見ると、そんな女の子たちの気持ちに寄り添ったサービスや商品、カルチャーが多々登場しています。
迷う範囲を限定!令和のセグメント文化
たとえば、自己紹介の定番ネタ「MBTI診断」は、自分のアイデンティティを表現するために活用されるのと同時に、自分の性格を客観的に把握することで、何かを選んだり、判断する時の拠り所にもなっています。最近では、恋愛に特化した発展版「Love Type 16(ラブタイプ診断)」が話題となっているのをご存知でしょうか? 自分の恋愛タイプや相手との相性を分類・セグメントして把握することで、「(恋愛をも)失敗しないように」しているのです。
他にも、最近美容のカテゴリでトレンドになっているのが「成分買い」。「この肌悩みには、この成分」といった紹介コンテンツが増え、美容に詳しくない人も、自分の肌や悩みにあった商品を「成分配合」を見て、買うようになっています。これも「製品特徴」から「成分配合」へ、判断軸や参考にする情報をより細かくセグメントしている、と見ることができます。メイクやファッションで定番となった、パーソナルカラー診断や骨格診断などにも共通項があるでしょう。
さらには、今では当たり前のように使われる「界隈」も、細分化された特定の趣味嗜好や属性をゆるいコミュニティとして機能させることで、欲しい情報や繋がりを効率よく得るために生まれた文化と言えるのではないでしょうか。
