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データ活用の高度化を考える(PR)

「マーケティングに使えるデータ」はメディアデータ以外に何がある? 活用事例から考える

 「どのデータをどう活用するか」にフォーカスし、高度化するマーケティングについて考えていく本連載。3回目は、メディアデータ以外のデータを活用する方法について考えたいと思います。

ターゲットを絞るために活用される4つのデータ

 前回の記事ではメディアデータのケースをご紹介しました。データを使ったマーケティングではメディアデータと広告配信を掛け合わせた事例が多くを占めています。一方で近年メディアデータ以外のものを活用した事例も増えてきています。今回は、それらの活用事例のご紹介をしたいと思います。

 より高度なデータを活用したマーケティングを行っていくためには、様々なデータソースを用いたターゲットの絞り方が必要です。例えば、前回の連載で触れたメディアのデータを中心にしたターゲットの設定だけでは、ターゲットの興味関心やコンテキストのデータに偏ったターゲット設定になってしまいます。

 ターゲット像を明確にするために用いられる代表的なデータが以下の4つです。

  1. IPアドレスをベースにしたデータ
  2. アンケートデータをベースにしたデータ
  3. POSデータをベースにしたデータ
  4. 通信キャリアのデータをベースにしたデータ

 それぞれどのようなデータか見ていきましょう。

IPアドレスデータの使い方

 IPアドレスを活用したデータの使い方としてよく見られるのが、位置情報に紐付いたターゲットの選定です。例えば、Webサイトに関東地方からアクセスした人を狙いたいとか、東京からアクセスした人を狙いたいとかいった場合に用いられます。

 それ以外にもアクセス元の企業名や業界、規模といった情報もIPアドレスに紐付けられて販売されているので、位置情報だけではなく、すでに取引のある企業のリストを用いたターゲティングやB2B向けの商材のターゲティングにも活用されることがあります。ただし、これらのデータはパソコンからのアクセスのデータが中心になっており、スマートフォンの場合はWifiにアクセスしているものを除き、正確にデータを取得できないという問題があります。

アンケートデータの使い方

 アンケートから得られるデータはデータの量がモニター数に依存してしまうので取得できるデータの量が限定的になってしまうのですが、モニターに対してであれば、かなり自由度の高い質問を行うことが可能です。そのため、ターゲットとしている人の質を判断する目的やデモグラ像を明確にするために用いられます。

 例えば、メディアデータを用いて、直近で保険を選びたいと思っている人の中からアンケートのモニターを選び「保険に対する認知度や好感度」を聞くことによって、現在ターゲットにしている人に対して認知度を上げるための広告を打つべきなのか、刈り取り系の広告を打つべきなのかを判断できます。

POSデータの使い方

 顧客の質的な情報をしる方法として用いられるアンケートデータやIPアドレスの情報に対して、顧客の具体的な行動の履歴を追う方法としてPOSデータがあります。POSデータと一言で言っても様々なデータソースのPOSデータが存在しています。例えば、購買者パネルという商品の購買情報を広くモニターから集めているデータや、店舗の会員カードを使って集めているPOSデータ、ポイントサイトの会員にレシートをアップロードさせて取得するPOSデータなどがあります。それぞれ長所短所がありますが、データの選び方として大きく「データ数」の軸と「データの種類」の軸が存在します。

 例えば、アンケートモニターのPOSデータはモニターが購買した商品全ての種類のデータが含まれていますが、データの量が少ないという問題があります。一方、会員カードを用いたPOSデータの場合、データ量自体はアンケートと比較して多いですが、特定の店舗や特定の商品にデータが偏っており、データの種類が少ないという問題があります。

 その中間として、ポイントサイトの会員のレシート情報を元にしたPOSデータがありますが、こちらもある程度、広範囲(例えば、数百万人単位)のターゲティング広告に用いるにはデータが取得できる人数が多くないのですが、POSデータの元になるレシート情報を読み込むのはとても手間のかかる作業なので、レシートから取得する情報を限定する必要があります。POSデータはデータソースのバリエーションは多いですが、利用用途を考慮してデータ量やデータの種類が最も適したものを選んで活用する必要があります。

通信キャリアのデータの使い方

 スマートフォンに特化したデータとして最近よく用いられているのが、通信キャリアのデータです。通信キャリアはスマートフォンに関連した幅広いデータを保有しています。例えば自社で会員情報に紐付いた年齢や性別の情報や、アンケートをベースにした属性情報、他にもキャリア課金の決済情報などがあります。

 徐々にスマートフォンからのアクセス比率があがってきていることやスマートフォン上でのコンバージョン数が増えていることから、通信キャリアのデータの重要性は高まってくると考えられます。ただし、単一キャリアのデータだけでは人口のカバー率が一定量までしかいかないため、複数キャリアが持つデータを活用してマーケティングを行うことが重要になると考えられます。

さらにターゲティングを高度化するデータ

 現在活用されているデータの多くは、Webサイトから得られた情報やWeb上の会員サイトのデータをもとにDSPやアドネットーワーク、Webページを最適化するといったオンラインに閉じた活用方法が多いです。オンライン上のマーケティングツールに比較して、オフラインのマーケティングツールではデータを用いた最適化があまりされていません。見方を変えれば最適化の余地が大きいと言えます。

 そのため、今後はオンラインで得られたデータの中からオフラインのマーケティングツールを最適化できるようなデータの作成にニーズが高まると考えています。また、オフラインで打ったマーケティング施策の結果をオンラインで受け取り、さらにPDCAを回すためにデータを用いるなど、オンラインにとどまらないデータの利活用が広がっていくと考えています。

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この記事の著者

簗島 亮次(ヤナシマ リョウジ)

株式会社インティメート・マージャー代表取締役社長。 慶應義塾大学 大学院 政策・メディア研究科を2010年首席で卒業。 2013年、Googleのレイ・カーツワイル氏が2020年に起きると予測した「あらゆるデータがひとつに統合される」という革命を冠した株式会社インティメート・マージャーを創業し、2019...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/01/19 10:00 https://markezine.jp/article/detail/23687