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Googleアナリティクスではじめるサイト行動データの広告活用

Googleアナリティクスの「チャネルレポ―ト」でAdWords連携データを活用、高度な分析に挑戦!

 Google アナリティクスには、分析・活用目的が異なる2つのチャネル軸のレポートが存在します。今回は、AdWords連携データの「チャネルレポート」での活用について、トランスコスモス主席コンサルタントの山浦氏が解説します。

高度なデータ分析に役立つレポートメニューをチェック!

 前回の記事では、AdWords & Google アナリティクス連携によって実現されるGoogle アナリティクスの「AdWords」レポート(最大11個のレポートメニュー)について解説しました。しかし、AdWords & Google アナリティクス連携によって可能になることはこれだけにとどまりません。連載3回目の今回は、連携によって可能になる高度な分析データと、それらデータを活用できるレポートメニューについて解説をしていきます。

集客・流入施策の全体最適に活用できる「チャネル」レポート

 AdWords & Google アナリティクス連携による AdWords 計測データ(インプレッション、クリック、コストなど)のGoogle アナリティクスへのインポートによって「集客>AdWords」のメニューが大幅に拡張されることは既にお話しました。これにより、さまざまなAdWordsキャンペーンごとの分析と最適化が行えるようになりますが、これら AdWords データをよりサイト全体の集客・流入最適化に活用できるメニューが用意されています。それが「チャネル」レポートです。

 Google アナリティクスでは、分析・活用目的が異なる2つのチャネル軸のレポートが存在します。

  • Default Channel Grouping(デフォルトチャネルグループ)
    …集客>すべてのトラフィック>チャネル
     
  • MCF(マルチチャネルファネル)チャネルグループ
    …コンバージョン>マルチチャネル
デフォルトチャネルグループ
※画像をクリックすると拡大します
MCF(マルチチャネルファネル)チャネルグループ
※画像をクリックすると拡大します

 広告施策の効果測定・最適化の視点で言えば AdWords 側のレポート画面によるCPA軸でのレポーティングで十分可能と言えますし、本連載でも紹介したGoogle アナリティクスデータの AdWords レポートへのインポートによって直帰率やエンゲージメント系指標による分析も可能です。

 Google アナリティクス側のレポートで AdWords などの広告指標も合わせて見ることで、キャンペーン・広告・キーワードごとに新規率や直帰率、滞在時間、コンバージョンなどの多様な指標を利用してキャンペーン最適化を図ることも可能ですが、そもそもサイト全体の集客・流入施策は AdWords をはじめとする広告施策だけではありません。

 オーガニック(自然検索)からの流入やソーシャルメディア、Eメール、ダイレクト(ノーリファラー)での流入までも含めて様々な「流入経路」を把握し全体で考えなければならない課題であるはずです。この1つ1つの「流入経路」のことを「チャネル」という言い方で分類し、集計レポートしているのが各チャネルレポートになります。このようにチャネル軸でデータを見ることによって、流入施策全体の最適化を図ることに活用できるという大きなメリットがあります。

デフォルトチャネルグループで流入チャネルごとの
サイト内行動とコンバージョン効率を見る

 サイト訪問の”すべての訪問”をGoogleの分類定義に従って集計レポートしているのが「Default Channel Grouping(デフォルトチャネルグループ)」です。チャネルは全部で8つのグループに分類されており、各グループに分類されるルールは以下の表のように定義されています。検索からの流入は「Organic Search」と「Paid Search」に、広告からの流入も検索広告は「Paid Search」、ディスプレイ広告は 「Display」にと、それぞれ別のチャネルとして分けられます。

※画像をクリックすると拡大します

※アナリティクスヘルプ「[デフォルト チャネル グループ] のチャネル定義」より。
https://support.google.com/analytics/answer/3297892?hl=ja

 このレポートでは、分類された流入チャネルごとの”A(集客)B(行動)C(コンバージョン)レポート”指標(詳細は前回記事を参照)をそれぞれ確認することができるので、有料施策のチャネル(主に広告からの流入)だけでなくオーガニック(自然検索)や参照サイト経由の流入、Eメールからの流入などを合わせたすべての流入チャネルにおけるサイト内行動(直帰率や滞在時間など)やコンバージョン効率(コンバージョン数やコンバージョン率)を確認することが可能になります。

 AdWords & Google アナリティクス連携によって集計される Google の広告データについては、その種別によって「Paid Search」チャネル、「Display」チャネル、「Other Advertising」チャネルにそれぞれ分類・集計されることになります。

 Googleの広告であれば、前回の記事で紹介したように「集客>AdWords」レポートの中で、キャンペーンごとのレポートや、「ディスプレイターゲット」「動画キャンペーン」ごとにレポートを確認することができますが、Google以外の広告についてやサイト全体流入の中での比率、コンバージョン効率の比較を行いたい場合には、やはりこのチャネル視点での集計が非常に役に立ちます。

※画像をクリックすると拡大します

チャネル分類の定義はカスタマイズできる

 デフォルトチャネルグループのチャネル分類定義は、Google によってあらかじめ決められていますが、この定義はカスタマイズが可能です。既存のチャネルに分類される中身(参照元やメディア)の変更はもちろん、チャネル自体を独自に作ることもできます。これによって、サイトの集客施策や流入分析視点に合わせたチャネル設定でレポートを確認することが可能になります。

 サイトへのトラフィックを広告だけでなく流入全体の視点で分析したい場合はデフォルトチャネルグループでの分析は有効ですが、ここで確認できる流入チャネルごと(または、各広告キャンペーンや参照元ごとなど)のコンバージョン数値は、コンバージョンが発生したセッションに紐付けられている集計値(ノーリファラーによる訪問を除く※)になりますので、セッションやチャネルをまたいだ複数訪問でのユーザー行動についてチャネルやキャンペーンごとの効果を見たい場合は、必ずしも目的に合わない部分もあるかもしれません。

 流入ごとのコンバージョン効率をセッションや、チャネルをまたいだ訪問も含めたコンバージョンへの貢献度によって最適化を行いたい場合、もう1つのチャネルレポートである「MCF(マルチチャネルファネル)チャネルグループ」の活用をお勧めします。

※アナリティクスヘルプ「アナリティクスでのセッション数の算出方法>ノーリファラー」より。
https://support.google.com/analytics/answer/2731565?hl=ja

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MarkeZine(マーケジン)
2016/03/03 09:00 https://markezine.jp/article/detail/24000

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