Kaizen Platformは、広告クリエイティブ改善ソリューション「KAIZEN Ad」の提供を2016年7月(予定)より開始する。同ソリューションは、既存のバナーとLPのURLを用意し、プラットフォーム上で制作依頼をかけると、3,000を越えるグロースハッカーから複数のクリエイティブ提案を受けられ、その中から選択したバナーを配信し、クリエイティブごとの広告効果管理が可能。今後、効果が落ちてきたタイミングで通知される機能も実装される予定だという。
これにより、広告運用の担当者は煩わしい発注作業や入稿作業をせずに、広告クリエイティブのPDCAをスピーディーに回せるようになる。また、電通PMPにも対応しているため、媒体社が保有する付加価値の高い広告枠へ配信しながら、CTRやCVR等のパフォーマンスを最大化させることもできる。
「KAIZEN Ad」により、クライアントは、サイトページの改善実績があるKaizen Platformのマーケットプレイスを広告バナー領域でも利用可能となる。今回、同ソリューションを提供するに至った背景を、同社日本事業 責任者の北氏に聞いた。
Kaizen Platformはグロースハッカーと呼ばれる多くの外部クリエイターによる知見・アイデアを活かすことで、クリエイティブのA/Bテストを行い、サイトページのCVRを高める改善を行ってきた。同取り組みのなかで“バナー広告の改善はできないの?”という声を多く聞いたことが、広告クリエイティブの改善支援を展開するきっかけだという。
広告の外部配信においては、ユーザーのアクション喚起のためにクリエイティブのバリエーションが求められる。反面、広告主・広告代理店にとって広告効果の改善のためにクリエイティブを量産するのは骨の折れる作業だ。「グロースハッカーのアイデアを広告バナーの領域でも活かすことで、広告効果の改善を実現できるのではないかと考えています」(北氏)
さらに、「KAIZEN Ad」は電通PMPとも連携している。その狙いとは何か。そこには、同社が2015年に行ったトライアルの結果が関係しているという。「ページのCVR改善を意識すると、一歩手前の広告クリエイティブは無視できません。そこで、2015年にアドバナーとLPを組み合わせたフィージビリティーテストを数回行いました」(北氏)
外部広告面において広告効果を上げるためには、「どの面に出すか」「誰に出すか」「どのクリエイティブを出すか」という3つのパラメーターを調整する必要がある。だが、トライアルからわかったことは、「面とオーディエンスの最適化をかけながら、クリエイティブの最適化をすることの難しさ」だという。
「たとえば、面×オーディエンス×クリエイティブを意識したバナーを5本作って、CTRを指標に勝ちクリエイティブを見つけ、そこにトラフィックを寄せて獲得数を最大化しようと考えたとします。しかし、RTBなどで買い付けされる場合、面とオーディエンスは変わってしまう。勝ちクリエイティブでの最適化が効きにくいのです」(北氏)
そこで注目したのが電通PMPだ。PMPは広告掲載サイトの把握ができるというメリットがある。「面がある程度固定されているならば、クリエイティブのバリエーションによって広告パフォーマンスを改善できると考えています」(北氏)
新たな取り組みを開始する同社、今後は「ページを改善する「Kaizen Platform」と、「KAIZEN Ad」をシームレスにつなぎ、バナーとページの結果を総合的に見て、全体のマーケティングROIを確認しながら、スピーディーにPDCAを回せるようにしてゆきたい」と北氏は展望を語る。
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