SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

新着記事一覧を見る

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第107号(2024年11月号)
特集「進むAI活用、その影響とは?」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

ダイアグラムで描く、ユーザーの感情・行動を変える広告設計

ユーザー感情を変える広告設計術 感情変化に求められる3つのパロメーターとは

 連載の第1回では、ユーザーの感情・行動を変えるための広告設計について、ダイアグラムで表現する方法をお伝えしました。今回は、広告の自動最適化では賄いきれない「ユーザー感情の変化を仮説立て、適切に利用や購入まで至らせるまでの道筋を考えること」「ユーザーとのコミュニケーションを設計すること」について、具体的な広告設計の方法を3つのポイントにまとめて解説していきます。

ユーザー感情を中心とした広告設計とは

 第1回では、「自動最適化の効果を高めるダイアグラム設計」というテーマで、ユーザーをコンバージョンに導くための「サービス・ブランドの理解度」と「緊急度・利用ニーズ」の2軸で描く感情変化のダイアグラムをご紹介しました。

 広告設計の最初にユーザー感情を設計しておくことで、マーケティング活動全体を可視化し、目指すべき感情変化と広告手法ごとにやるべきこと、が見えてきます(詳細はこちら)。

 マーケティング活動の全体像を感情によって可視化した後は、それぞれの感情の変化を表す矢印について、コンバージョンに至らせるための最適な方法を考える必要があります。

・どのような広告手法を使用するのか?

・どのようなサイト・ターゲットに広告を表示させるのか?

・どのようなクリエイティブでユーザーとのコミュニケーションをとるのか?

 上記の観点から広告設計を行います。ここでポイントとなるのは、決して、広告手法の選定から広告設計をしてはいけないということです。

 「競合が行っているからDSPを始めよう」「まずは検索連動型広告を運用しよう」「流行っているからInstagramを使おう」など、広告手法から入ってしまうと、ユーザーとの最適なコミュニケーションがおざなりになってしまいがちになるからです。

 ユーザーの感情をAからBに変化させるための情報を伝えることにより、ユーザーの行動が変わりコンバージョンに導かれるという、広告としての本質を見失わないようにしていくことが大切なのです。

感情を変化させるスイッチは3つのバロメーターから

 広告とは、本来ユーザーが辿り着くはずのない未来に対して、情報によって最適な方向に導くことだと、私自身は考えています。その最適な方向の先にビジネスとしての成果地点(コンバージョン)が存在します。

 それを導く道筋がダイアグラムです。ユーザーの現在の感情に応じて導き方は変わってきますが、どの感情変化においても共通する3つのバロメーターが存在します。

1.「したい!」という欲望や憧れ

2.「しなきゃ!」という焦りや緊急感

3.「できそう!」というハードルの軽減

 この3つのバロメーターをわかりやすく図式化するとこのようになります。

 ユーザーの「うらやましい」「欲しい」といった良い状態を認識し、その欲求を感じてもらう。あるいは、「このままだとダメだ」「今ってこんなに悪いんだ」という悪い状況を認識し、それを普通に戻したいという欲求を感じてもらう。

 そして、その2つの欲求を叶えるハードルは低いことを認識してもらう。

 この3つの感情バロメーターを広告によって変化させ、その感情バロメーターと紐づく商品ブランドの認知を向上させることにより、それぞれのタイミングでユーザーが商品を想起し、購入し、利用する確度が上がっていくのです。

 ブランドの想起率を上げるために行う広告では、広告内で感情の変化を促さず、感情変化のバロメーターが日常生活の中で上がった際に、いかに想起してもらうか/手にとってもらうかを目的としているケースが多くあります。

 これは商品認知をさせる時だけでなく、ユーザーが他の競合商品と比較をした時にも、「この値段なら手に入れられる」という価格に対するハードル軽減や「他の商品よりも、私がやりたいことが実現しそう!」という欲求が、競合に勝つために必要な感情になります。競合商品よりもこの3つのバロメーターを高く感じさせることができれば、選んでもらえる可能性はぐっと向上します。

 もちろん、広告だけの話ではありません。ユーザー訪問後のLPやWebサイトコンテンツなど、広告接触後のタッチポイントで、この3つのバロメーターをどのように変化させられるのかが、ユーザーとのコミュニケーション設計において大切になってくるポイントです。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
自動最適化に任せるところ、自分の手で設計するところ

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
ダイアグラムで描く、ユーザーの感情・行動を変える広告設計連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

本間 和城(ホンマ カズシロ)

株式会社インタースペース所属
日本ディレクション協会 副会長

2012年株式会社インタースペースに入社。アフィリエイトサービスのアクセストレードを運用し、Web広告を活用したプロモーション戦略の企画~運用までを担当。新規サービスの立ち上げや事業アライアンスも行い、2015年下期、全社MVP獲得。

20...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2017/04/17 12:00 https://markezine.jp/article/detail/26340

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング