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ネットで話題になるとどうなる?担当者が語るビフォーアフター

メルカリが「折り込みチラシ」を配布した理由/ネットで話題を生むために仕掛けたクリエイティブとは?

 メルカリは2018年末に、折り込みチラシ施策を展開。「24時間営業中」「徒歩0分!」といったキャッチーなコピーと、どこか見覚えのあるデザインがネット上で話題になりました。愛知県・北海道のみの地域限定で行われた同施策の狙いや効果について、同社のシニアマーケティングディレクター 南坊泰司氏にお話を伺いました。

「折り込みチラシ」は、非スマホネイティブ世代に有効

回答者:
メルカリ シニアマーケティングディレクター
南坊 泰司(なんぼう たいし)氏

2011年、株式会社電通に入社。ストラテジックプランナーとして企業ブランディング・マーケティング分析を経験する。その後、マーケティングマネージャーとして同社のDMP開発・DMPを活用したソリューション提供を推進。2018年より株式会社メルカリに入社。マーケティンググループにおいて、オンライン・オフラインに限らずメディアフリーにタッチポイントを統合したコミュニケーションに取り組んでいる。

――はじめに、デジタル領域でサービスを展開する御社が、「折り込みチラシ」というアナログのマーケティング施策を仕掛けることになった経緯を教えてください。

南坊:折り込みチラシは、流通の中でも重要なタッチポイントのひとつです。そこで、CtoCのマーケットプレイスである「メルカリ」でも活用できる可能性があると考え、今回テスト・マーケティングという形で施策を行いました。

 主なターゲット層は、40代以上の方々です。「『メルカリ』という名前自体は聞いたことがあるけど、実際にどんなものが売られているのかわからない」と考える非スマホネイティブ世代に対してサービスを訴求するには、折り込みチラシが有効だと考えました。

今回の施策で配布された折り込みチラシ
どこか見覚えが……?

 また、「『メルカリ』×折り込みチラシ」という組み合わせから生まれる違和感や驚きが、実際に折り込みチラシを手にした家庭内で会話のフックになることにも期待しました。「『メルカリ』知らないの? スマホにアプリを入れてあげるよ」といった親子のやりとりが起きるかもしれないですよね。そうした考えから、今回の施策を仕掛けることになりました。

――ネット上でこの施策が話題になったきっかけや経緯についてお聞かせください。

南坊:Twitterを中心に話題となり、そこからFacebook、また『BuzzFeed』『ねとらぼ』などのネットメディアへと広がりました。実際の広がり方を確認すると、折り込みチラシを配布した地域の方による「実物画像のアップロード」が発端となっていたことがわかりました。ネット上に投稿された実際の画像を見た全国のマーケターの方々がこれを紹介したことで、SNSやネットメディアに拡散されていったと認識しています。

「手に取れる広告」としての価値

――ネットで話題になるよう御社のほうから仕掛けたことはあるのでしょうか?

南坊:折り込みチラシを配布したもうひとつの理由は、「手に取れる広告」としての価値があったためです。当初から、折り込みチラシを実際に手に取った方が画像を投稿したり、様々な種類のチラシを集めたり、あるいは「メルカリ」で販売したりするといった広がりが起こる可能性を考えていました。

 クリエイティブに関しても、「ツッコミどころ」を作ることを意識しました。馴染みのあるチラシをオマージュしたレイアウトや引きのあるコピーが「手に取れる広告」としての価値をより高め、想定していた通りに話題化ができたと思っています。

「徒歩0分!」というコピーには確かに反応してしまうかもしれない

――家電量販店や地元スーパー風のデザインは、ターゲット層である非スマホネイティブ世代にとっての「とっつきやすさ」を意識したものなのでしょうか?

南坊:手に取っていただく方が親しみを感じられ、お得感も訴求できるような「チラシらしい」デザインにこだわりました。弊社は、クリエイティブにおいてはタッチポイントに即した表現を選択することが重要だと考えています。そのため、折り込みチラシの文脈に合った表現方法を採用しました。

――今回の施策は愛知県と北海道限定で配布されたようですが、なぜ愛知県と北海道なのでしょうか?

南坊:理由としては、現地新聞社のメディアとしての存在感の強さ、テスト・マーケティングとしての一定の規模感、そして北海道に至っては「送料が全国均一」であること。この3点が挙げられると思います。

――愛知県と北海道で配布された折り込みチラシの部数を教えていただけますか?

南坊:愛知県が120万部、北海道が72万部の合計192万部です。2018年12月12、15日の朝刊に差し込まれました。

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2019/01/30 09:00 https://markezine.jp/article/detail/30170

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