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今知っておきたいマーケティング基礎知識

TikTok広告の活用ポイントを紹介!広告種類・クリエイティブ制作の注意点

 TikTok広告を上手に活用すれば、若い世代を中心に認知度や信頼性を大きく向上させたり、商品の購入やサービスの利用につなげたりすることも可能です。この記事では、TikTok広告で成功を収めるための基礎知識として、広告の仕組みや種類、クリエイティブを作成するときのコツなどを解説します。

 若い世代を中心に様々な世代のユーザーが増えている「TikTok」。2020年からは柔軟にプランを組める運用型広告もスタートしたことで、企業のプロモーション施策でTikTok広告を活用するケースも増えています。

 しかし、担当者の世代によっては、「若い人向けのサービスで受ける広告を作る自信がない」と感じてしまうこともあるのではないでしょうか。

 そこで今回は、TikTok広告の基本的な仕組みと広告の種類について解説します。クリエイティブを作成するときのコツや失敗を防ぐための注意点も併せて見ていきましょう。

TikTok広告とは?

 TikTok広告の基本的な仕組みについて、まずはTikTokの概要も踏まえながら見ていきましょう。

TikTokの概要とユーザー層

 TikTokは中国のByteDance社が運営するショートムービープラットフォームです。最短15秒から3分程度の短い動画を誰でも簡単に作成、投稿できる仕組みとなっており、世界150ヵ国以上で利用されているメジャーなプラットフォームです。

 視聴速度の調整、フィルターやメイク機能、好きなBGMを付けられるといった点が人気のポイントであり、手軽にオシャレな動画を作れることから、若年層を中心に多く利用されています。

 また、最近では40代男性の利用も増えており、ユーザーの年齢層が広がっている面もあります。様々な内容やジャンルのコンテンツが増えていることから、投稿目的だけでなく、視聴目的で幅広い世代のユーザーが利用しているのです。

TikTok広告の基本的なポイント

 世界で10億人(2021年9月時点)を超えるユーザーを有するTikTokの広告における大きなポイントは、「幅広いターゲットに広告を届けられる」という点です。

 TikTokユーザーの利用スタイルは、特に目的を持たず、気ままに回遊する点が特徴といえます。偶発的なおもしろい発見を求めて動画を探しているユーザーも多いため、インパクトのあるクリエイティブを作成すれば、他のSNS以上に訴求しやすくなるでしょう。

 また、性別や年齢、地域、言語、興味関心、ユーザーのアクションといった多様な項目から詳細なターゲティングが行えるため、効率の良い広告アプローチが行える点もTikTok広告の魅力といえます。

 さらに、広告の種類が多い点もポイントです。TikTokにはインフィード広告、ハッシュタグ・チャレンジ(タイアップ)、起動画面広告など、様々な種類の広告方法があります。

 より効果的な広告出稿を実現するためには、それぞれの仕組みを理解したうえで運用することが大切です。

 なお、課金方式は6種類(CPC・oCPC・CPM・oCPM・期間契約課金・CPV)あり、それぞれ以下のように仕組みが異なるので、最適なものを採用しましょう。

課金方式 特徴
CPC(クリック課金) 広告のクリック回数に応じた課金
oCPC(最適化クリック課金) 広告のクリック回数に応じた課金(コンバージョンによる調整が行われる)
CPM(インプレッション課金) 広告の表示回数に応じた課金
oCPM(最適化インプレッション課金) 広告の表示回数に応じた課金(コンバージョンによる調整が行われる)
期間契約課金 一定期間ごとに料金が決まる課金方式。契約期間内に必ず広告が露出される
CPV(再生課金) 視聴秒数(2秒/6秒/全編)による課金

 また、1日あたりの最低出稿金額が決まっているため、長期にわたっての運用を考えている場合は、事前に予算を計算しておくことが大切です。

TikTok広告を活用するメリット

 広告宣伝の業務において、TikTok広告の活用にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、3つの視点から解説します。

広告クリエイティブを閲覧してもらいやすい

 TikTokのユーザーは、新しいプラットフォームの広告に対して比較的抵抗感が少なく、柔軟性が高いといわれているため、「広告クリエイティブをつい見てしまう」というユーザーも比較的多い傾向にあります。

 印象的な広告クリエイティブを作成できれば、工夫次第で認知度を一気に向上させることも可能な点は、TikTokの魅力といえるでしょう。

一度に多くの情報を伝えられる

 動画コンテンツは、文字情報などと比べて、短時間で多くの情報を伝えやすい点が特徴です。特にTikTokは、短い尺の動画を作成するのに適したプラットフォームになっているため、情報を凝縮しつつ、端的にコンテンツを作成できます。そのため、商品やサービスの紹介に向いている土壌といえるでしょう。

反応がリアルタイムで次のアクションにつながりやすい

 「ながら視聴」などによる訴求力低下は、動画広告のおもな課題の1つです。しかし、TikTokは「短尺で飽きない」「縦型フル画面のインパクト」などの特徴を有しており、フルアテンション(高集中力)での視聴につなげやすいといえます。

 主体的な視聴が増えることで、情報拡散などのアクションや購買行動にも結び付けやすくなるでしょう。

TikTok広告の種類

 TikTok広告には様々な種類と出稿形式があるので、それぞれの仕組みと特徴をおさえておきましょう。

広告の種類

 TikTok広告の5種類の広告(インフィード広告、ハッシュタグ・チャレンジ、起動画面広告、Brand Auction、Branded Effect)と、それぞれのポイントを解説します。

インフィード広告

 フィード(TikTokアプリのおすすめ画面)内に出稿できる広告であり、通常の投稿と投稿の間に表示される仕組みです。通常投稿を見る一連の流れで表示されるため、「広告感」が薄く、ユーザーにストレスを与えにくいのが特徴です。

 インフィード広告には予約型(リザベーション広告)と運用型の2種類があり、予約型は事前に掲載金額や期間、出稿内容を設定する方式です。運用型は管理画面での入稿作業を通して配信を行う方式を採用しています(後述)。

 また、インフィード広告の1つであるSpark Adsとは、クリエイターなどの許可を得た第三者の投稿を、広告として活用できる広告フォーマットです。ユーザー層を狙ってリーチできる点や、通常の投稿と違ってCTAボタンを配置できる点が特徴であり、自社のサイトやサービスへのスムーズな流入を期待できるのがメリットです。

ハッシュタグ・チャレンジ

 ハッシュタグを活用した広告であり、指定したキーワードに関するユーザーの投稿を促すことで拡散を狙う方法です。

 具体的には、TikTok社との打ち合わせを行い、指定のハッシュタグを用いたキャンペーンを告知したり、クリエイターに投稿を行ってもらったりします。その後、ユーザーを巻き込んで自由な投稿を促し、自社の製品やサービスに関する話題を広げていってもらうといった仕組みです。

 なお、利用するためには事前の申し込みが必要となります。

起動画面広告(スプラッシュスクリーン広告)

 ユーザーがTikTokアプリを起動したときに表示される広告であり、画像やGIF画像、GIFアニメーションのいずれかを3~5秒の間配信できます。TikTokを利用するすべてのユーザーに情報を届けられるので、大きな拡散力があり、知名度・認知度の向上にうってつけの方法です。

 ただし、利用できるのは1日1広告限定であり、広告コストも1日500万円程度と高額なため、戦略は慎重に練る必要があります。

Brand Auction(ブランドオークション広告)

 Brand Auction(ブランドオークション)は、クリエイティブやターゲティングの設定内容を修正・改善しながら利用できる運用型広告です。オークションで入札額を競い合う仕組みであり、金額によって掲載場所にも違いが生まれます。

 かける金額を自在に選べるため、最小限のコストで目的のCVを狙うといった柔軟な使い方が可能です。なお、追加費用を支払うことで、広告成果の計測や最適化を行ってくれる「ブランドリフト調査(Brand Lift Study)」も利用できます。

Branded Effect(ブランドエフェクト広告)

 ブランドエフェクト広告とは、企業があらかじめ用意したエフェクト効果をユーザーの投稿動画に反映できる広告メニューを指します。新商品のプロモーションなどに活用でき、ユーザビリティの向上につなげられます。

 たとえば、ブランドエフェクトを用いることで、動画に映る人の顔を自動分析し、肌や髪の色を変化させることが可能です。ユーザーは自分の顔が映った投稿画面の中で、化粧品のお試し利用を楽しむことができます。

出稿の形式

 TikTok広告の出稿形式は、大きく分けて運用型広告、予約型広告、ダイナミック広告の3種類に分けられます。各出稿形式のポイントを解説します。

運用型広告

 リアルタイムで予算やクリエイティブなどを運用しながら配信する方法で、入札でどの広告を表示するかを設定します。ユーザーの一般投稿に紛れる形で配信できる点や詳細なターゲティングができる点、海外へのリーチも可能な点がメリットといえます。

 また、予算に合わせた運用が柔軟に行える点も特徴です。

 一方、効果が得られるまでには時間がかかるケースが多いため、運用リソースをどのように確保するかは課題となります。

予約型広告(リザベーション広告)

 予約型広告は、TikTokの広告枠を一定期間購入して出稿する形式です。起動画面広告やハッシュタグ・チャレンジがこれにあたり、多くのユーザーの目に留まりやすい場所に広告を掲載することで、ブランディング効果を高めることが期待できます。

 広告を表示させるタイミングを事前に決めておけば、狙ったタイミングで運用できます。ユーザーが興味を持つシーンがどのような場合であるかを検討したうえで活用してみましょう。

ダイナミック広告

 ダイナミック広告とは、動画や画像、テキストなどを入稿すると、AIが自動で広告を生成してくれる機能です。複数の素材を用意できるときは、ダイナミック広告を活用してみると良いでしょう。

 また、生成されたクリエイティブの種類ごとに評価が行われ、継続的に最適化されるのが特徴です。

TikTok広告を上手に運用するコツ

 TikTok広告をうまく活用するためには、しっかりとコツをおさえてからスタートすると効果的です。ここでは、運用時に意識すべき3つのポイントを解説します。

複数のクリエイティブでA/Bテストを行う

 TikTokでは、1つのキャンペーンに複数のクリエイティブを出稿できるため、その都度A/Bテスト(スプリットテスト)を行うことが可能です。2~3つ程度のクリエイティブパターンを作成し、特に印象を左右しやすい冒頭3秒の映像やBGMなどを変えながらA/Bテストを行うと効果的でしょう。

 A/Bテストは、TikTok Ads Managerで行えます。ターゲティングやクリエイティブなどの変数をテストできるので、早い段階で使い慣れておくのがおすすめです。

ピクセルを設定することでデータ活用ができる

 ピクセルとは、サイト上でのユーザーの動きを記録するタグ(トラッキングコード)のことでTikTok広告からWEBサイトに誘導するときは、誘導先のページすべてにピクセルを設置しておきましょう。

 ただし、ピクセルを設置しただけでは効果測定は行えないので注意が必要です。広告マネージャーで登録したピクセルにイベント(ユーザーの特定アクション)を設定します。

 ピクセルとイベントをともに設定することによって、データの計測が行える点をおさえておきましょう。また、特定のイベントをコンバージョンとして計測する場合は、ピクセルとイベントを連携させる必要があります。

インフルエンサーと協力する

 TikTok広告を効果的に拡散させるためには、人気のインフルエンサーに協力してもらう方法も有効です。すでに知名度や信頼性があるインフルエンサーであれば、多くのファンにリーチできます。

 また、ユーザー側もインフルエンサーの投稿内容には親近感を抱きやすいため、最後まで動画を視聴してもらえる可能性が高くなるでしょう。

広告クリエイティブを制作するときの注意点

 TikTokで効果的な運用を行うためには、当然ながら広告クリエイティブの中身にも気を配る必要があります。ここでは、見られる広告クリエイティブを作るには、どのような点に気を付ければ良いかを見ていきましょう。

動画の冒頭部分に気を配る

 ユーザーはフィードに流れてくる動画を一瞬のうちに判断します。そのため、広告を見てもらえるかどうかは冒頭部分で決まるといっても過言ではありません。

 TikTokは元々短尺のコンテンツが中心のプラットフォームであるため、冒頭3秒にインパクトを持たせて、ユーザーの興味関心を惹きつけるよう意識することが大切です。

 インパクトのある映像や心をくすぐるタイトル、アップテンポなBGMなどを心がけ、ユーザーの興味が逸れないような広告クリエイティブを作成しましょう。

他のSNSで使った動画の再利用

 効率的な運用を続けるためには、InstagramやTwitterのようなその他のプラットフォームで使っている動画をTikTok用に加工して使う方法も効果的です。コンテンツ作成の手間を省けるため、その分のリソースをデータ分析などにあてることもできます。

 また、TikTokは速いテンポの動画やBGMが多いため、他のSNSで使った動画を用いる際は「動画やBGMの速度を上げる」ことを意識すると良いでしょう。

不具合の修正が途中で行えない場合がある

 TikTokでは運用型広告のBrand Auctionを除き、広告に不具合が見つかっても途中で修正することができません。せっかく狙い通りに拡散されても、誤った情報があれば成果にはつながらないため、リンクの設置漏れや価格設定のミスなどが起こらないように注意しておくことが大切です。

 また、出稿申し込み後は先着順で広告が割り当てられるため、一定のタイムラグが生じるケースもあります。申請後はキャンセルができないため、スケジュールにもゆとりを持たせておくと良いでしょう。

表示領域に気を付ける

 広告の表示領域を意識せずに入稿すると、TikTokアプリで再生するときに、広告の表示が一部隠れてしまうケースがあります。そのため、縦長の動画を作るときには、表示領域にも気を付けて作成しましょう。

 また、テキストを入れ込む場合には、領域に動画内の文字をかぶらせてしまうと、見えづらくなってしまうので注意が必要です。

 さらに、TikTokアプリでは画面の右端に各種アイコンが配置されるため、画面右側の領域にテキストなどを入れないよう気を付けましょう。

 各種広告には推奨サイズが設定されているほか、プレビューツールを用いれば簡単に表示領域の確認ができるので、入稿前には忘れずにチェックすることが大切です。

まとめ

 TikTokは若い世代はもちろん、上の世代のユーザーも増えており、企業の広告プロモーションとして重要な立ち位置を占めるSNSとなっています。他のSNSと比べて動画の尺が短いため、気軽にコンテンツを再生してもらいやすく、新規ユーザーを巻き込んだ広告戦略も実現しやすい点が特徴です。

 TikTok広告の種類とそれぞれの特徴、広告クリエイティブを作成するときのコツや注意点をおさえて、効果的な広告活動を行いましょう。

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この記事の著者

マーケ研究所(マーケケンキュウジョ)

 マーケティングに関する情報を調べ、まとめて届けています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2023/03/25 01:00 https://markezine.jp/article/detail/41772

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