IoTアプリの起動率、リモコンアプリと白物家電が伸長
コロナ拡大以前の2019年からコロナが5類に移行した2023年の4年間、IoT家電を取り巻く環境の変化としては、IoT対応デバイスの数自体の増加、お家時間の増加による住み替えや家電の買い替え、自宅のネットワーク整備などが挙げられます。
IoT家電の利用にはどのような変化があったのか、まずはIoTアプリの起動率から見ていきましょう。(図表1)
4カテゴリ全体で見ると2019年~2021年は3~4%でほぼ横ばい、2022年から上昇トレンドとなり、2019年から4年で2.7倍に伸長しました。特に新型コロナが5類に移行した2023年の1年間の伸び率が顕著です。また、カテゴリ別に見てもいずれも右肩上がりで、成長率が高かったものはリモコンアプリと白物家電でした。
IoTデバイスをスマートスピーカーで一元管理
次に、IoTアプリのカテゴリ併用状況を見ていきましょう。(図表2)
「スマートスピーカー」ユーザーは、他のIoTカテゴリの併用率がいずれも低く10%未満で、スマートスピーカーを単体で利用していることがわかります。一方、「リモコンアプリ」ユーザーの約半数、「スマート家電」ユーザーおよび「白物家電」ユーザーの約3割がスマートスピーカーを併用しており、前述したようにデバイスが増えるとアプリが増えることから、“スマートスピーカーによる一元管理”というメリットが発揮されている様子です。
このことから、IoTデバイスの今後の普及が、スマートスピーカーのシェア拡大のカギとなりそうです。
20~30代既婚、平均より高年収、高ITリテラシーがユーザー像
では、どのような人がIoTアプリ、IoT家電を利用しているのでしょうか。スマホユーザー(アプリログデータ全体)とIoTアプリユーザーの基本属性を比較し、その差から特徴を分析します。(図表3)
IoTアプリユーザーは全体に比べて男性の割合がやや高く、年代は20~30代が多く占めています。未既婚については、既婚者が全体よりも10ポイント高く、子どもの有無にはほぼ差がありません。また、世帯年収は400万円以上、有職者、特に技術系の会社員の割合が高いことがわかります。
既婚者が多いことから居住環境に対する需要が高く、またITに対するリテラシーも高い属性であることが考えられます。
