電子ペーパーディスプレイはすでに市販の電子書籍リーダなどで採用されているが、同一画像を表示し続ける間は電力が不要で、画像書換時のみに電力を消費する。また、紙と同じ反射型表示のため昼間の屋外で特に見やすく、バックライトを必要としないことから、低消費電力、軽量・薄型という特徴を持っている。
KDDI 研究所は、電子ペーパーディスプレイのこれらの特性に注目し、携帯のメインディスプレイでは表現しきれない画像を電子ペーパーディスプレイに転送表示するポータブルビューアシステムを試作。電子ペーパーディスプレイは13.1インチで、通常の携帯電話のメインディスプレイ(4インチ未満)の10倍以上の面積があり、4096色カラー表示が可能となっている。
利用の際には、携帯に蓄積した画像をメインディスプレイ上のサムネール画像で確認後、赤外線通信インタフェースによって転送する。今回開発したシステムでは全操作を携帯で行い、電子ペーパーディスプレイ側では電源ボタン以外の操作は不要となっている。
KDDI研究所では、このシステムによって近年取り扱いが厳しくなっている顧客の個人情報データを持ち歩くことなく、その場でダウンロードして表示し、表示後はデータを簡単に消去することができることから、顧客の安心・信頼の獲得につながるとしている。また、A4版で作成した商品案内パンフレットや約款などをほぼ原寸で表示できるため、説明責任を強く求められる用途にも活用できる。
【関連記事】
・ドコモとエイベックスが合弁会社設立、「携帯の小さい画面向け」の映像配信ビジネスを展開
・携帯の長~いスクロール画面をFlashが変える!第1回「ケータイFlashサイトデザインコンテスト」受賞者発表
・ワイド画面化する携帯でRSSリーダーもより見やすく、「ECReal Reader」がワイド画面に対応
・KDDI研究所、98%の精度でプロの作品を判別する動画分析技術を発表