顧客体験(カスタマーエクスペリエンス/CX)の誤解
体験に関する昨今のキーワードとして、「カスタマーエクスペリエンス(CX)」があります。顧客視点に立った時のユーザーエクスペリエンスのことを意味します。
おおもとは、認知心理学者であるドナルド・A・ノーマン氏の著書『誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論』(新曜社)に書かれている「ユーザーエクスペリエンス(UX)」から派生した言葉だと言われています。UXは、スマホアプリやウェブサイトの使い勝手について論じる際によく出てくる言葉ですが、本来はその操作性や利用した時の体験だけのことを言うのではなく、満足感や使う理由なども含めた、もっと広い意味でのユーザー体験を指します。つまり、使用前・使用中・使用後も含めた一連の流れの中で感じる体験や価値のことなのです。
また、デジタルに閉じた話ではなく、リアル店舗でのUXももちろん同様です。カスタマーエクスペリエンス(CX)は、顧客視点でユーザーエクスペリエンスを評価することなので、我々企業側はこのCXを高める努力をする必要があります。要は、「満足度やロイヤリティを高めるために顧客の期待を超える体験を考え、提供し続ける」必要があるのです。
オムニチャネルに話を戻すと、オムニチャネルとは、すべてのチャネルにおいて1人の顧客に合わせて同じ情報、体験、商品を提供することでしたから、チャネルをまたいでも、使用前、使用中、使用後という一連の流れでの良い顧客体験を提供することが重要になります。
顧客ロイヤルティが高まれば収益性が高くなる
Watermark Consulting社による「顧客ロイヤルティの高い企業ランキング」のトップ10企業の累積総利益率は、S&P500指数よりも平均して約3倍高いという結果が出ています。ワースト10企業の結果との開きを見ると、やはり顧客と仲良くなることはビジネスにも良い影響をもたらすことがわかります。
米国ではすでに多くの企業がCXの向上に注力しており、その数は年々増加しています。実は日本の企業のほうが、おもてなしだとか接遇といったことを、あうんの呼吸で昔からやり続けています。ただし、個人レベルでなく企業レベルで実行するために、経営が仕組みにする必要があります。
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藤原 義昭(フジハラ ヨシアキ)
株式会社300Bridge 代表取締役
経営層を対象に経営、マーケティング、デジタルで企業成長の角度を上げるサポートを行う会社である株式会社300Bridgeを経営。KOMEHYO HDでは全社マーケ・DXを統括し、EC事業をゼロから約100億円規模に育成させた。ユナイテッドアローズでは最高デジタル責任者として1300億...※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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