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MarkeZine Day 2026 Autumn

最高の買い物体験!を実現するオムニチャネル実践論

「答えは現場にあります」 オムニチャネル・スイートスポットを探す3ステップと気をつけたいこと

顧客体験のスイートスポットを探せ!

 自社ならではの顧客体験のスイートスポットを探す方法は、以下の3ステップとなります。

  1. 社内に眠っている資産を掘り起こす
  2. 顧客が喜んで、自社の強みを活かせて、競合がやっていないことを探す
  3. カスマージャーニー上でその強みを活かせる設計をしてゆく

 オムニチャネルにしろデジタルマーケティングにしろ、これから始める方にありがちなのが、他社のマネをしたり、セミナーで聞いてきた事例を「よし、うちもやろう!」とやってみたけれど、あまり効果なかったなぁ。というやつです。成功事例はヒントでしかないので、自社にフィットするか、自社の顧客にフィットするかは、企業や環境によって異なります。また、たとえそれがとても効果的だとわかっていても、社内の優先度が低く、現場(リアル店舗)が動いてくれなかったり、しきい値(継続的に行って効果が出るポイント)を超えなかったりと、うまくいかない理由はさまざまです。

 ですから優先順位として、まずは自社を観察してお客様にとても喜ばれているけど実は社内で気づいていないことを一生懸命探してください。ここがいちばん重要な作業です。探す方法としては、顧客へのアンケートやインタビューもありますが、まずは現場でお客様と接しているスタッフに直接聞いてみましょう。答えは現場にあります。

 ただし、ひとつだけ注意することがあります。それは、お客様の声と顧客視点は違うということです。お客様の声は表面的な意見になりやすく、顧客の本来のニーズは顕在化していないため、言語化できていないことが多くあります。我々はその生の声を聞いて意味合いを汲み取る必要があります。顧客視点とはこの意味合いにあります。

コメ兵ならではの「お取り寄せサービス」に見る
強みと顧客満足度の相関関係

 コメ兵の場合、強みは店頭の販売員です。EC上で販売されている商品をリアル店舗へ、それも他店から取り寄せて販売する「お取り寄せサービス」を2007年から提供しています。顧客からそのご要望はたくさんいただいていましたが、それをそのまま実行するのではなく、コメ兵の強みである接客を添えることによって、より高い満足度を獲得することができています。

 実際に客単価は、ECのみで販売する場合と比較して、取り寄せて店頭で接客した場合は約3倍となります。コメ兵では、ロレックスからエルメス、カルティエ、ブルガリ、モンクレールなど年間40万点のさまざまなブランド品を取り扱っています。社員は、まず店頭に配属され、次に買取をする鑑定士を目指します。当然、顧客から買取させていただくには膨大な知識と経験が必要です。その知識を持って、また店頭に立ち販売を行っているのです。実際にこのサービスは、お客様からたいへん好評を得ており、年間の販売額は40億円以上になります。

 図は、お取り寄せサービスのどの項目が顧客満足度と相関関係があるか、コメ兵が独自に調査したものです(実際は他の項目も調査していますが、一部を掲載しています)。ご覧のとおり、強みである接客と満足度の相関が強いことがわかります(※強いとは、一般的に言われる「相関係数0.7以上」から判断しています)。

 以上のように、オムニチャネルを設計していくうえで重要なのは、顧客が喜ぶ顧客体験を豊かにし、顧客ロイヤリティを上げるとともに、購入の前段階で自社を思い出していただけるよう、顧客の記憶に残ることです。そのためには、自社の強みを掘り返し徹底的に使うこと、なのです。

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この記事の著者

藤原 義昭(フジハラ ヨシアキ)

株式会社300Bridge 代表取締役
経営層を対象に経営、マーケティング、デジタルで企業成長の角度を上げるサポートを行う会社である株式会社300Bridgeを経営。KOMEHYO HDでは全社マーケ・DXを統括し、EC事業をゼロから約100億円規模に育成させた。ユナイテッドアローズでは最高デジタル責任者として1300億...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/07/17 07:00 https://markezine.jp/article/detail/64895

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