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MarkeZine Day 2026 Autumn

EC業務に変革をもたらすAI 共存の先に見えるものとは

AI経由の注文が15倍に!Shopify Field CTOが語るエージェンティックコマースの衝撃

静観する時間はない、日本のEC事業者が今すぐ着手すべきこと

━━変化の激しい市場環境において、日本のEC事業者のリーダーが今、直面している経営上の課題や、真っ先に取り組むべきことについて教えてください。

 日本のリーダーが直面している課題は、大きく3つに集約されます。

•1つ目の課題:データの整備。

•2つ目の課題:社内でのAIの実装方法。一部の人間に留まらず誰もがAIを使える環境を整える必要がある。Shopifyでは、AIアシスタント「Shopify Sidekick」を開発し、誰でもAI活用できる環境を整えている。

•3つ目の課題:企業側の意思決定のスピード。多くの経営者が「AIへの対応にはまだ時間的な余裕がある」と誤解している。

 ほんの2年前まで、ChatGPTやGeminiという言葉すら世間ではほとんど知られていませんでしたが、今やそれは社会のインフラとしてフルパワーで稼働しています。会話すらしていなかった状態から、今ではフルに使える状態になっているのです。「エージェンティックコマースはまだ先の話だから、時間をかけてゆっくり対応すればいい」と考えるのは、致命的な過ちです。

 そして、今後のAI時代に向けて真っ先に取り組むべきは「データの整備」です。これはインターネットの黎明期に「すべての企業がホームページを作りましょう」と言われていたこととまったく同じ構造だと言えます。

 当時、ホームページを作らなかった企業がネット上で存在を認識されなかったように、これからのAI時代においては、「AIに見つけられるように構造化されたデータで情報を公開していくこと」を始めなければ、AIの世界においては空気になってしまい、市場から静かに消え去ることになります。

 企業の持つ商品データやコンテンツが、AIの理解できる正しいフォーマットや構造で整えられていなければ 、ソフトウェア同士の高度な会話の輪に入ることはできません。AIというソフトウェアは、不完全なデータに対して驚くほど「不寛容」であることを忘れないでください。

「おもてなし」の精神でエージェンティックコマース時代を勝ち抜く

━━最後に、これからの激変する時代を勝ち抜くために、日本のEC責任者やマーケターに向けて、熱いメッセージをお願いします。

 「エージェンティックコマースの到来で、日本のECはどうなってしまうのか」と不安に思う方もいるかもしれませんが、読者の皆さんには強い自信を持っていただきたいです。私は、エージェンティックコマースという新しいテクノロジーにおいて、日本市場が他の地域にはない独自の強み・優位性を持っていると確信しています。

 なぜなら、エージェンティックコマースという仕組みは、「細かい部分に徹底的に気を配ること」「顧客を細やかに思いやるサービス精神」「澱みがなく、欠点のない完璧な実行力」を高く評価するテクノロジーだからです。これらはすべて、日本におけるビジネスの本質であり、伝統的な「おもてなし」の精神そのものではないでしょうか。

 日本は、エージェンティックコマースにこれ以上ないほど完璧に向いている市場です。変化の波が過ぎ去るのを待つのではなく、皆さんが持っている素晴らしい強みを活かし、この新しいテクノロジーをいち早く味方につけて、コマースの未来をともに切り拓いていきましょう。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2026/06/16 15:30 https://markezine.jp/article/detail/76947

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