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EC業務に変革をもたらすAI 共存の先に見えるものとは

会話で購買する未来にどう備える?Salesforceに学ぶエージェンティックコマースの今

AIは人の代替ではなく分身。日本独自の「おもてなし」をデジタルでも実現

━━日本のEC現場では「おもてなし(高品質な接客)」と「人手不足」のジレンマが深刻です。Agentforce Commerceはこの課題をどう解決しますか。

 私たちはAIを「人の代替」ではなく「人の分身」と考えています。トップ販売員の思考や表現を学習させることで、夜間や繁忙期でもデジタル上で一定クオリティのおもてなしを提供できるようにします。日本語特有の曖昧な表現や遠回しな要望に対しても、ブランドトーンを反映したプロンプト設計とガバナンスによって、日本市場にフィットさせていきます。

━━実際に日本国内での導入事例などはありますか。

 すでにワイヤードビーンズ様などで、ガイド付きショッピングの活用が始まっています(本事例に関するCommerceZineの記事はこちら)。店舗でのコンバージョン率がデジタルに比べて5〜10倍も高いという課題に対し、トップエージェントを育成してデジタル上でも深い接客体験を実現しようとする試みです。

 すでに一定の成果につながっており、同社のEC事業者向けのAI活用支援サービスもリリースされるなど、AIが顧客の文脈を理解しデジタル上で接客できるフェーズに来ています。

  グローバルでは「SharkNinja」様が30以上の市場でエージェントを稼働させているなど、着実に成果が出ています。

━━最後に、今後のAI時代におけるECの展望とEC担当者の方々へのアドバイスをお願いします。

 これからのECの競争は、品揃えや価格だけでなく、「顧客1人ひとりと、どれだけ深く、自然な会話ができるか」で決まっていきます。AIエージェントが検索、提案、比較、購入後のサポートまでを担うことで、ECは単に商品を並べる場所から、顧客とともに最適な選択をつくる接客の場へと変わります。

 そのために必要なのは、AIを追加の機能として導入することではありません。商品・顧客・在庫・注文のデータをつなぎ、信頼できる基盤の上で、AIにどのような接客を担わせるのかを設計することです。EC担当者の役割も、日々の登録や設定に追われる「作業者」から、ブランドらしい体験と収益成長を設計する「体験の設計者」へと進化していきます

 まずは、すべてを一度に変える必要はありません。「ギフトを相談する」「自分に合う商品を選ぶ」といった、顧客にとって価値が分かりやすい1つの会話から始めることです。その小さな成功体験を積み重ねた企業が、AI時代における新しいおもてなしと、持続的な成長の両方を実現していくと考えています。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2026/07/07 08:30 https://markezine.jp/article/detail/76978

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