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受託開発からの事業転換を成功させたホットリンク社COOの話

 毎回ユニークな事業を行っている企業の経営者にインタビューする「すべらない事業のつくりかた」。第14回は、大手インターネット広告代理店のオプトの幹部社員からスタートアップ企業へと転籍し、それまでの受託開発からSaaS型サービスの提供へのビジネスモデル転換を牽引した、株式会社ホットリンクの成瀬 功一郎氏に、すべらない事業のコツを聞いた。

Q. まず初めに貴社の事業内容を教えてください。

 SaaS(Software as a Service)型のサービスを提供しています。ビジネスモデルとしては、売上のほとんどがSaaSの月額利用料収入で賄われています。主力サービスは2つあり、口コミ分析ツールのSaaS提供とレコメンデーションエンジンのSaaS提供です。

株式会社ホットリンク
株式会社ホットリンク

 口コミ分析ツール「クチコミ@係長」は、自社での直接販売以外に、電通、ネットイヤーグループのトライバルメディアハウス、サイバーエージェントグループのサイバーバズ、アジャイルメディアネットワーク、凸版印刷などへ、クチコミデータベースおよび分析技術の提供を行っています。

 まだまだ発展途上な領域ではありますが、国内シェアNo.1サービスとなっています。累計49億件以上(注:2010年8月31日現在)の投稿記事データを蓄積しており、クライアントには使いやすいインターフェースと、集計結果の表示スピードも評価していただいています。

 レコメンデーションエンジン「レコナイズ」は、あらゆる業態に対応する多彩なアルゴリズムと外部システムとの柔軟な接続性を備えています。オプション機能も充実しており、特に大規模サイトを運営される企業様から高い評価を受けています。

Q. ホットリンクの経営に参画した経緯を教えてください

 1997年10月にインターネットマーケティング企業のオプトに入社しました。社員番号は10番でした。私が入社した頃のオプトは、FAX-DMサービスを中心とした、ダイレクトマーケティングの会社でした。

 2001年からインターネット広告事業へ完全にシフトし、2004年にはジャスダックへの上場を果たしました。その間に営業部門、メディア部門、マーケティング部門、モバイル部門等の責任者を歴任した後、2007年6月にホットリンクの取締役C.O.Oに就任しました。

 私はもともと好奇心旺盛で「新しいもの好き」なタイプの人間なので、世の中にトレンドを生み出すような新しいサービスや物が出てくると、真っ先に自分で体験してみないと気が済みません。

 実は、ホットリンク社との出会いは2003年にブログブームが日本にやって来た頃までさかのぼります。その頃は、私がオプト社内で「これからはブログだ!」と騒いでいても社内では誰も反応してくれませんでした。

 そんな時に、当時オプトのC.O.Oを努めていた野内さんが「なるちゃん、面白い会社があるから紹介してあげるよ」と引きあわせてくれたのが、ホットリンクの創業社長である内山さんでした。お金にならないけど(笑)、面白いプロダクトを山ほど開発している「おもちゃ箱のような会社」というのが、最初に受けた印象でした。

 2005年末にオプトがホットリンクへ資本参加し、連結子会社化することになりました。その半年後の2006年7月に、「社外取締役をやって欲しい」とのオファーをオプト社長(当時)の海老根さんからもらい、二つ返事でO.Kしました。

 当時の私は、インターネットマーケティングがこれからさらにテクノロジードリブンな方向に発展していく事を痛感していました。また、競合企業に比べて、オプトがその領域に遅れを取っている現実に、危機感を覚えていました。

 そんなタイミングでホットリンクの経営に参加し、その技術力の高さや内山さんの壮大なビジョンに共感を持ちました。2007年初旬には、海老根さんと内山さんの両名から「専任で最高執行責任者(C.O.O)をやってもらえないか」というオファーをもらい、オプトからの転籍を条件に、即OKしました(※当時、海老根さんはホットリンクの社外取締役を兼務していた)。

Q. C.O.Oという肩書きとはいえ、大成長を遂げたオプトから当時のホットリンクへの転籍に不安はありませんでしたか?

 特に不安はありませんでした。

 私が転籍を条件にしたのは、もし自分が逆の立場だったら「いつ戻ってしまうか分からない“出向”という立場の役員を迎えてもどうなの?」と考えたからです。どうせやるなら、ホットリンクの社員に対して「自分は退路を絶って来ている。君たちにも死ぬ気で頑張って欲しい」と言いたかったのだと思います。

 また、特に根拠はないのですが、絶対に成功させる自信もありました(笑)。また、かねてから興味のあったテクノロジーの会社を経営することに対するワクワク感の方が強かったです。

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