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後発ながらもオフショア開発で成功を収めるWeb制作会社の話

 毎回ユニークな事業を行っている企業の経営者にインタビューする「すべらない事業のつくりかた」。第24回は、Web制作会社 株式会社バイタリフィの代表取締役 川勝潤治 氏に話を聞いた。多くのWeb制作会社が海外オフショア開発を失敗・清算しているところを尻目に大成功を収めている同社の、すべらない事業の秘訣とは?(バックナンバーはこちら)

Q. 貴社の事業内容を教えてください

 Web制作開発事業です。コンテンツプロバイダーや広告代理店から、エンタメ系コンテンツの企画制作やキャンペーン案件などを受託しています。

 最近では「スマートフォン」「ソーシャルアプリ」「ベトナムオフショア」という3つのキーワードを中心に事業を行っています。

株式会社バイタリフィ
株式会社バイタリフィ

Q. 会社を立ち上げるまでのキャリアを教えてください

 大学卒業後に三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行して法人営業を担当していました。当時は、サイバーエージェントや楽天などのネットベンチャー企業が続々とIPOした頃で、時代はネットベンチャーブームでした。

 その頃、目立っていたベンチャー企業の若い社長を見ると、彼らはたまたま運が良いだけで、同じ土俵に立ったら自分が彼らに負けるとは思いませんでした。今思うと、運は事業を推進することにおいて大変重要な要素というのは分かるのですが、当時は全くそのようなことは考えず、自分も独立すれば彼らよりも上手くやれると考えていました。

 2000年に28歳で退行して、在職中から株主であった健康食品会社の共同代表に就任しました。しかし、これが全く駄目で、わずか4ヶ月で退任の憂き目にあいました。

 その後、今度は自分自身で音楽配信ネットサービスの会社を作りました。ですが、これも上手くいかず、2年半で閉じました。

 2002年には再び就職し、ある企業の役員になりましたが、やはり再チャレンジしたくなって2005年9月に今のバイタリフィを起業しました。

Q. Web制作会社としては後発ですが、どのようにして顧客開拓を行いましたか?

 当社は2005年9月の設立で、ちょうど3G端末が普及し始めた頃でした。

 モバゲーがオープンしたのも2006年頃だったと思いますが、携帯でFlashを使ったリッチコンテンツが注目され始めていました。当時は携帯Flashを作れる制作会社があまりなく、顧客獲得は難しくありませんでした。また、当社の独自技術である「顔認識」や「Flash合成」などのソリューションが、キャンペーンやエンタメ系コンテンツのニーズに合致し、競争優位性を持てるようになりました。

 さらに、2008年12月にベトナム法人(現バイタリフィアジア)を買収し、低価格でシステム開発が可能になりました。特に最近はスマートフォン関連のニーズが強く、これをオフショアを使って開発することで価格競争力がつき、生産ラインの調整もやりやすくなったことで、強みとなりました。

Q. 「顔認識」や「Flash合成」などを使ったキャンペーンは確かに当時よく見ましたが、そうした顧客ニーズを掴むために工夫していることを教えてください

 現在、当社では営業が6名、プランナーが3名います。創業時から営業には力を入れており、顧客の名刺の枚数だけでも5000枚以上あります。

 前月実績や制作リソースの空き情報、新規商材の紹介などを一斉メールによって案内するなど、あらゆる手段を使って顧客とのコミュニケーションの深化に努めてきました。まずは打席に多く立てるよう工夫を行ったということです。

 あとはプロジェクトマネージャー、ディレクター、プログラマーが案件をスムーズにこなせるよう資料化・パッケージ化を行い、顧客の信頼を得ました。

Q. 大手から中小零細まで、まだまだWeb制作業界は玉石混淆ですが、今後の市況をどう見ていますか?

 短期スパンで見ると、スマートフォンに強い会社が力を付けてくると考えています。1995年頃にPC系、2000年頃はi-mode、2005年頃の携帯Flash、2010年のスマートフォンという流れになっていると思います。

 中長期スパンで見ると、印刷業界のように数社の大手企業とニッチなマーケットでシェアを握る会社と、無数にある中小零細の下請け企業で構成されると考えています。

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