5月9日東京・渋谷のT's 東宝ビル別館で、日本のSEO対策の第一人者、株式会社アイレップの渡辺隆広氏による「2007年SEO新戦略~激変する検索エンジンとSEO対策セミナー」が開催され、氏から最新SEO事情が語られた。
セミナーで渡辺氏はYahoo!が開発しているWebサーチエンジン「YST」の検索アルゴリズムバージョンアップに対しての対策を講じた後、4月の下旬に開催された「ad:techサンフランシスコ」の報告を行った。この中で渡辺氏は「Searchマーケティングの戦略を作るのは日本よりも米国の方が進んでいる」として、「日本でSEOというと集客と考えるが、米国では集客というレベルではなく、エンゲージメントを育てるための仕組みとしてSearchを活用している」と述べた。
エンゲージメントとは今、アメリカで話題となっているキーワードで、消費者とブランド(企業や商品)を結びつけるために周辺情報を補強し、活性化するものだ。渡辺氏によると米国企業はこのエンゲージメントを高めるためにSearchを利用しているという。商品に興味を持った消費者がほしい情報を得られる仕組みを作ることに注力し、単純に売上や集客を増やすためだけにSEOを行っていはいないということを強調した。
2007年2月より、Googleアカウントを新規取得したユーザはパーソナライズド検索が標準で有効となった。パーソナライズド検索は、ユーザーが検索した履歴を管理(表示)・学習することで、ユーザーの嗜好を考慮した検索結果を表示しる機能。Yahoo!もユーザの人間関係、所属集団を反映させる「ソーシャル検索」を開発しており、今後のSEO対策は複雑・多様化していくことが考えられる。今回のセミナーではこうしたSEO業界の動向を学ぼうと、企業のWebマーケティング担当者など大勢が参加し、講演に熱心に耳を傾けていた。
パーソナライズド検索、ソーシャル検索について詳しくはMarkeZine内の渡辺隆広氏の記事「検索ランキング至上主義によるSEO」が終わる日を参考にしてほしい。