MM総研は「法人ユーザーにおける携帯電話/スマートフォンの導入配布状況・ニーズに関する調査(2012年度版)」を実施した。
調査結果から、スマートフォンを導入する企業が急速に増えている実態と、導入の阻害要因である「セキュリティの不安」を解消するため、MDM(モバイル端末管理)サービスの利用やセキュリティガイドラインの策定が進められている状況が明らかになった。
法人名義の携帯電話・PHS、スマートフォンを現在、従業員や役員に「配布している」企業は80.2%、「配布していない」企業は19.8%だった。特に、スマートフォンを「配布している」企業は、「本格的に導入利用済み」(15.6%)、「テストまたは部分導入利用済み」(11.6%)を合わせると27.2%に。法人名義のスマートフォン導入企業は、前回調査2011年15.2%から27.2%へここ1年間で急拡大した。
従業員配布率は、有効回答539社において、現在が平均26.8%、1年後は平均29.1%、3年後は平均31.3%まで堅調に拡大する見通し。一方、スマートフォンのみの配布率を見ると、現在は平均4.2%にとどまっているものの、1年後に平均7.3%、3年後に平均11.4%と大きく増加する見通し。スマートフォンの配布率については、前年調査で、現在1.5%、1年後3.5%(今回調査の「現在」に相当)、3年後5.6%だったことと比較すると、想定以上のペースで伸びていることがわかる。
一方、スマートフォンの導入拡大の阻害要因として最も多かったのが「セキュリティへの不安(不正アクセスによる情報漏えい)」(46.2%)、次いで「セキュリティへの不安(端末の紛失による情報漏えい)」(41.1%)、「携帯電話・PHS(フィーチャーフォン)と比べての月額料金の高さ」(36.8%)、「セキュリティへの不安(ウイルス感染)」(36.0%)と上位をセキュリティ、コスト関連が占めた。フィーチャーフォンからスマートフォンへの移行が進む大きな流れの中で、セキュリティ対策が急務になっている。
また、MDMサービスの利用はスマートフォン導入企業の58.8%、セキュリティガイドライン策定済みは同39.9%とセキュリティ対策も進んでいる。
【調査概要】
調査対象:従業員数0100人以上の大手・中堅企業及び学校・医療福祉法人の総務部門
回答件数:545社(※1社1回答)
調査方法:Webアンケート「gooリサーチによる調査」
調査期間:2012年9月20日~10月2日
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