株式会社インプレスR&Dのシンクタンク部門であるインターネット生活研究所は本日、電子書籍ビジネスの市場動向の調査結果を発表した。
今回、調査背景として同社は、「ブロードバンドや無線LANなどの普及、携帯電話などのデバイスの機能の向上により、デジタルコンテンツの利用はますます盛んになっている。なかでも電子書籍の市場規模は、2006年3月末時点(2005年度)で、約94億円と推定されている。また2005年3月末時点(2004年度)の電子書籍の市場規模は約45億円と推定できるので、対前年度比で209%と約2倍に成長したことになる。内訳は、PC/PDA向け電子書籍市場が約48億円、ケータイ向け電子書籍市場は46億円となっている」と市場が急速に拡大していることを挙げている。
調査結果としては、「電子コミック」が電子書籍市場を牽引する形で成長していることを挙げた。その伸び率は大きく、「2006年3月末時点(2005年度)の電子コミック市場規模は約34億円と推定できる」とした。これは、電子書籍市場全体(94億円)の36%を占めることになる。また、その内訳を見ると、PC/PDA向け電子コミック市場が約11億円、ケータイ向け電子コミック市場が約23億円。さらに、「PC向け」と「ケータイ向け」で分けると、PC向け電子コミック市場(11億円)は、PC向け電子書籍市場全体(48億円)の23%を占めている。またケータイ向け電子コミック市場(23億円)は、ケータイ向け電子書籍市場全体(46億円)の50%に上るとした。
同社では、2004年度に12億円だった市場規模が、2005年度には3.8倍の規模に急成長していることから「ケータイ向け電子書籍市場の伸び率は目を引くものがある」としている。またその理由はケータイ機能の向上にあるとしている。具体的には電子書籍市場はほとんどPC/PDA向けだったが、2004年からケータイで電子書籍を一冊まるごとダウンロードできるようになったことを挙げている。そのため、ケータイ向け電子書籍市場が本格的に立ち上がり、2005年度には、コンテンツプロバイダの数も急激に増えたのではないかとしている。特にケータイ向け市場では、大手出版社や、これまで出版と関係のなかった異業種などからの新規参入も多いため、ケータイ向け電子コミック市場は、今後も大きく成長するのではと述べている。
News2unet:電子書籍の市場規模は94億円、対前年度約2倍に拡大うち電子コミックの市場規模は34億円