グローバル市場調査会社のイプソスは、決済方法の実態を捉えるキャッシュレスマンスリー実態調査の9月の結果を発表した。
同社は1月から毎月、約2,400名に対して、前月1ヵ月間のクレジットカード、QRコード決済、デビットカード、電子マネーとプリペイドカード、現金の利用実態について、オンラインアンケートを実施。9月の調査結果は6~8月の支払いを表している。
以下、一部内容を紹介する。
ポイント還元終了で、キャッシュレスの利用が停滞
今年の1月から続いてきた現金支払いの減少はほぼ見られず、キャッシュレス決済の割合は全体的に停滞状況だ。QRコード決済の利用は、政府主導のキャッシュレス・消費者還元事業により利用金額は増えたが、6月の終了以降は10%台にとどまっている。QRコード決済の利用促進にはキャンペーンやイベントが効果的だが、恒常的利用には課題がありそうだ。
20代の現金利用が一時増加
年代別でのキャッシュレス化の進行度合いについて、20代は7月に現金利用が一時的に増加したが、8月になってはほぼ6月と同じレベルに戻った。現金支払い金額の割合はほぼ変化なく続いていることがわかる。
50代においては7月に現金利用が微減。QR決済、電子マネー、デビットカードの利用がそれぞれ微増したものの、8月にはクレジットカード利用が増えていた。
キャッシュレスの利用意向に男女差
性別ごとに見てみると、現金利用は男性より女性が多いことから、男性のほうがキャッシュレスの利用意向が高いことが伺える。クレジットカードの利用においては男女の差はほぼないが、男性のほうがよりQRコード決済を利用していた。
【調査概要】
調査時期:1月15~20日、2月14~17日、3月13~16日、4月17~22日、5月15~19日、6月15~19日、7月15~19日、8月15~19日、9月15~19日
調査対象者:日本全国の18~79歳男女
サンプルサイズ:1月2,401名、2月2,401名、3月2,400名、4月2,400名、5月2,400名、6月2,400名、7月2,400名、8月2,400名、9月2,400名
調査方法:オンライン調査
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