App Annie Japanは、アプリ市場データプラットフォーム「App Annie Intelligence」のデータを基に、Z世代(16~24歳)のモバイルの利用動向をまとめたレポートを発表。以下、一部内容を紹介する。
多くの国でZ世代のMAUが増加
Z世代の平均月間アクティブユーザー数(以下、MAU)の前年同期比の成長率は、多くの国でその他の世代(25歳以上)より上回っていた。
モバイルファースト新興市場のインドネシアでは、40%の増加率を記録。世界で最も急成長している市場であることを表している。世代間での成長率の差が最も大きかったのは米国で、Z世代のMAUはその他の世代の2倍近く増加した。一方日本では、その他の世代の成長率のほうが上回っており、今後のZ世代の成長率に注視していく必要がありそうだ。
Z世代でエンゲージメントの高いアプリは?
モバイルアプリに費やす時間を世代別に見ると、いずれの世代も非ゲームアプリより、ゲームアプリに多くの時間を費やしていることがわかる。
ゲームアプリについては、Z世代よりもその他の世代が約10%頻繁にアクセスしており、約20%長く時間を費やしている傾向に。一方、非ゲームアプリでは、1アプリあたりのセッション数において、Z世代が約20%多い120回、月間平均利用時間では約10%多い4.1時間以上となった。
世界10ヵ国(ブラジル、フランス、ドイツ、インドネシア、日本、メキシコ、韓国、トルコ、英国、米国。以下、同)における、非ゲームアプリのカテゴリー別の利用時間の増加率については、ほぼすべてのカテゴリーで、Z世代がその他の世代を上回っていた。
日本のZ世代のゲームアプリ利用時間は世界平均の約1.5倍に
世界10ヵ国ごとの、Z世代の月間セッション数と月間平均利用時間を見ると、日本のゲーム利用時間は市場の中で最も多く、世界平均の約1.5倍となった。一方、非ゲームアプリで費やされる時間と頻度は最も低く、ゲームと非ゲームの1ユーザーあたりの平均月間セッション数はほぼ同等だった。
「TikTok」など無料配信アプリの新規ユーザーが一気に増加
エンタメカテゴリーのアプリ利用状況において、Z世代と25~44歳の世代を比較すると、それぞれ「Netflix」「Hulu」「Amazon Prime Video」などの動画ストリーミングアプリの利用が伸びていた。
2020年3~4月、新型コロナウイルスの影響から「TikTok」など無料配信系アプリの新規ユーザーが一気に増加した。Z世代のユーザーが多いアプリとしては、「Twitcasting(ツイキャス)」や、お絵かきアプリの「アイビスペイント」が挙げられる。
コロナ禍で“人との繋がり”を持つアプリのニーズが高まる
ソーシャルカテゴリーのアプリにおいても、Z世代と25~44歳の世代間で使用するアプリに変化が見られた。2020年3月、Z世代において「LINE」や「Discord」の利用時間が約130~140%増加(前月比)。「Zenly」は約155%の急成長となり、全体の総利用時間を押し上げた。コロナ禍において、Z世代は”人との繋がり”を意識していたと思われる。
2020年3~4月、25~44歳の世代においても、ソーシャルアプリの総利用時間が増加。約115%の成長を記録した(前月比)。一方、アクティブユーザー数の成長は5%未満に留まり、「LINE」や「Facebook」など既にインストールしているアプリへの時間消費が多く見られた。
日本のZ世代におけるMAUランキングTOP10
日本のZ世代における、ゲームアプリMAUランキングでは、「モンスターストライク」「荒野行動」「パズル&ドラゴンズ」「ポケモンGO」といった、人気ゲームが上位にランクイン。
非ゲームにおいては、1~4位をSNSアプリが独占しており、他者とのコミュニケーションに使用するアプリが上位に。その他、ショッピングアプリやフリマアプリ、音楽アプリなどがTop10入りした。
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