「8割の精度ではダメ」 パッケージチェックシステムに“ほぼ完璧”を求めた理由
――パッケージチェックシステムの取り組みはどのような経緯で始まったのですか?
カルビーにはたくさんの商品があり、パッケージの裏にはさまざまな情報が載っています。アレルギーがある方などにはとくに重要な情報ですし、表示ミスが許されない部分のため、すべてをほぼ人の目と手でチェックしていました。
チェックすべき観点が多岐にわたっているため、商品企画、品質保証、お客様相談室のメンバー複数名でチェックする体制をとっていましたが、その作業にかける時間は膨大で、大変ストレスフルなものです。ミスの流出をなくすためには必要な作業ではありますが、本来の担当業務に充てる時間を増やすために、ITの力を使ってどうにか改善することができないかと、考えを巡らせておりました。
――具体的にどのようなフローでこのプロジェクトを進めていったのですか?
さまざまなIT企業にインタビューしたり展示会に出向いて情報収集したりする一方で、こうした悩みは食品会社共通だろうと思い、いろいろな食品会社にヒアリングをさせてもらいました。その中でいくつかシステムも紹介いただきましたが、それらの多くは「80%までなら保証できる」など、検出精度が求めている水準より低いものでした。我々が目指すのは「法令や社内ルールなどで正解がある表示であればほぼ100%間違いなくチェックできる」というもの。そうでないと、目的である「人の作業の時間を減らすこと」と「表示ミス流出リスクを減らすこと」は実現できないためです。8割の検出精度では、チェックする人の作業はなくならないため、意味をなさないのです。
今回のパッケージチェックシステム導入の取り組みは、この問題意識を組織横断的に解決するためにプロジェクト化したものです。原材料表示やアレルゲン、栄養成分といったお客さまの安全・安心やリスクに直結するような正解がある部分については、ほぼ完璧にチェックできるシステムを実現したかった。そんな我々の期待に応えてくださったのが、株式会社Tooさんでした。