ソーシャルメディアで音楽を楽しむZ世代
YPulseの調査データによれば、Z世代とミレニアル世代にあたる13~39歳の若者に「音楽を聴くためにどのようなサービス/テクノロジーを使用しているか」を尋ねたところ、最も多かった回答は「ソーシャルメディア」でした。特にZ世代は、ソーシャルメディアを通して音楽に触れていることがわかります。

典型的なのは、音楽があることを前提とするショート動画サービスのTikTokです。このような動画サービスによって、10年以上前の音楽が若い世代に再評価されたり再生数が爆発的に伸びたりしています。
混ざり合うポッドキャストとYouTube
また2023年10月から、日本国内でもYouTubeにポッドキャストをRSSフィードという仕組みで送り込めるようになりました。これは、音声番組を公開すると自動でコンテンツがYouTube上でも公開される仕組みです。なお、取り込んだ際には動画コンテンツとして生成されます。YouTube Musicであれば、その他の音声メディア同様にバックグラウンド再生も可能です。

YouTubeのバックグラウンド再生を見ても、冒頭に書いた通り動画コンテンツと音声コンテンツの境目がなくなりつつあります。ユーザーからはますます「ラジオ」というものが広義に捉えられるようになり、「音声を楽しむことのできるメディアであるか」どうかというシンプルな定義になっていく可能性があります。
Z世代に音声広告が響くわけ
このようにラジオというものの定義が曖昧になったインターネットの時代において、タイパ意識が高くつながりを求めるZ世代にとって、音楽やインターネットラジオのコンテンツは不可欠なものとなっています。Z世代へのリーチにおいて音声のメディアが有効であることは前述の通りですが、広告の機能面でも音声コンテンツには利点があります。
インターネットコンテンツの成長とともに成長したデジタル広告の発展は、消費者にバナーや動画広告など、視覚的なコンテンツを消費者に強いるようになりました。一方、音声は全方位的にアテンションを奪う動画広告と異なります。音声広告の完全聴取率(LTR)が90%を超えることが多いのはその証拠だといえるでしょう。視覚のメディアが溢れたことで、「広告の注目持続時間は1秒」といわれているZ世代にとって、音声広告は十分な質のリーチを取れるといえます。
音声メディアはポッドキャストや音声SNSによるつながりや、音楽を通じてZ世代にリーチできるコンテンツフォーマットです。今後もプラットフォームやコンテンツの拡充で、その価値は向上していくでしょう。