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オルセー美術館やノートルダム大聖堂も フランスで人気高まるロケーションベース・エンタテイメント視察レポ

4.「国立自然史博物館」で体験できるVR体験型イマーシブシアター

 パリの「国立自然史博物館」は、フランスの科学文化を象徴する重要な施設。植物学、鉱物学、古生物学、動物学など、多岐にわたる自然科学の研究・教育の中心地として機能してきました。膨大な数の収集品とともに、その歴史的建築や美しい展示デザインも特徴的です。

 VRの話題からは少しそれますが、展示は生命に対する畏敬の念を感じられる不思議な空気に満ちており、科学的な知性と感性が見事に組み合わさった素晴らしい空間デザインだと感じました。

 この自然史博物館で体験できるVR体験型イマーシブシアター「Life Chronicles: Earth's history」は、進化の歴史がテーマ。地球の始まりから海、陸へと進化が進む、内容的にはよくある科学の教科書のようななものです。

 このパターンは大型の映像でも珍しいものではありませんし、CGとの相性の良さからVRコンテンツとしては従来からよく見られるものでした。しかし、バーチャルガイドの案内演出や自分のインタラクションの要素が加味されることで、エンタテイメントとして理想的な形となっています。科学的な知識をより直感的に理解するための、科学教育の新たな可能性と言えるかもしれません。

5.独自のイマーシブ体験施設「Horizon of Khufu」

 日本でいえばチームラボの体験施設に似たような形式で、独自のイマーシブ体験施設も運営されていました。そのなかでも規模が大きい「Horizon of Khufu」は、エジプトのピラミッドをテーマにした内容です。とくにピラミッドの建設過程やそのなかの壮大な内部構造をリアルタイムで歩き回ることができる点は、体験としてとても魅力的です。

 それ以外にも、VRデバイスではなく大型映像やプロジェクションマッピングのみで構成されるイマーシブ施設も、一定のポジションを獲得しているように見えます。

まとめ

 VRヘッドセットを使用したイマーシブシアターは、もともとジェットコースターやシューティングゲームといったアミューズメントの文脈でおもに利用されていました。しかし、パリの視察で「ポストコロナにおける新たな観光エンターテイメント需要に応えられる新しいフォーマット」として、違った形へ応用できる可能性を感じました。

 パリのVRクリエイティブスタジオは活気で溢れており、いきいきと良いものを作ろうとする雰囲気があることも印象深いです。

 デバイスの有無にかかわらず、インタラクションをともなうバーチャル技術が文化的な情報デザインにおいて有効な手段になり得るかもしれません。VRを使ったロケーションベース・エンタテイメントは日本ではまだ主流な体験とはなっていませんが、注目しがいのあるテーマのひとつとして、チェックしてみてもらえればと思います。

この記事の続きは、「CreatorZine」に掲載しています。 こちらよりご覧ください。

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2024/05/24 08:15 https://markezine.jp/article/detail/45735

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