KDDIの2007年3月期第3四半期の決算発表が、1月25日に行われた。2006年10月に携帯電話の番号ポータビリティ(以下、MNP)制度が実施されたが、第3四半期のauの解約率は最低水準の1%にとどまり、好調を維持している。
連結ベースでの第1~第3四半期の業績累計を見ると、営業収益は前年同期比10.4%アップの2兆4,624億円、営業利益は同22.7%アップの3,160億円で、増収増益となった。
通期の業績見通しは、営業収益が当初予想の3兆2,930億円から3兆3,300億円へ上方修正された。ツーカーが2008年3月末にサービスを終了することから、約360億円の減損損失の計上が見込まれるが、当期純利益は1,860億円で修正はない。
移動通信事業に注目すると、第1~第3四半期の累計業績においては、営業収益は前年同期比7.1%アップの1兆9,760億円、営業利益は同12.1%アップの3,358億円。
2006年12月末時点での携帯電話市場でのKDDIのシェアは、累計で28.7%(au:27.2%、ツーカー:1.5%)で、業界全体の契約数の純増シェアにおいては、73.3%(au:116.8%、ツーカー:-43.5%)でNo.1。また、MNP制度による第3四半期のKDDIの契約数の純増は、46.5万(au:48.4万、ツーカー:-1.9万)となっている。
今後は、端末、料金システム、コンテンツにおける総合的な商品力を強化するとともに、2006年3月期に営業利益が613億円のマイナスとなった固定通信事業を建て直し、2008年3月期にはFTTH(光ファイバー通信)以外の事業全体での黒字化を目指す。