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MarkeZine Day 2025 Retail

リピートの魔術師が指南!マーケティングROI劇的向上塾

【儲かるネット通販】リピート客を更に“儲け”を生むエンジンに!

次に獲得すべきなのはクロスセル!

 リピート化の成功とリピート離れの布石ができあがったら、次に実施すべきなのは、顧客単価をさらに上げるための「クロスセル(他商品の併売)」である。他の商品への誘導は、何もリピート化が成功する前でもいいのでは…? と考える人も多いと思うが、他商品を進めてよいタイミングは下記の2つのシチュエーションに限られる。

クロスセルの効果的なシチュエーション
  • 見込み客の状態からある程度の期間をかけても初回購入につながらなかった場合
  • 1つの商品のリピート化が成功した場合

 なぜ上記の2つのタイミングに限られるかというと、まず初回購入までの期間で、「他の選択肢」を与えると「気持ちが散漫になってしまい、1つの商品に対して育ちつつある情熱が薄れてしまう」ことになってしまうからだ。つまり二兎を追うものは一兎も得ることはできないということである。

 では逆に、なぜ1つの商品のリピート化が成功した時点で「クロスセル」をすべきかというと、1つの商品をリピート購入している時点で、当該ブランドや企業に対する信頼度やロイヤリティが高まっているからである。このように、信頼度やロイヤリティが高い場合は、初見顧客に比べ少ない労力とコストで「初回購入」⇒「リピート化」しやすいと言える。

最終的には顧客自身が広告となるような仕組みづくりを!

 商品のリピート化が成功した際に、もう1つやるべきことがある。それは顧客自身に新たな顧客を呼び込んでもらうことである。

 消費者が商品購入に至る理由は、TV CMを見た、WEBでバナーを見た、DM・チラシを見たなどさまざまな情報に触れ、そして選別したうえで「これは」と思う商品を購入するわけだが、実は消費者にとって最も効果のある情報とは、昔から変わることなくクチコミである。

 消費者は「企業の言葉」よりも「利害関係のない個人の言葉」の方を信じる傾向にある。当然1度に多くの消費者を獲得するにはTVやWEBなどの広告を使用する必要があるが、ファンとなってくれた顧客が友人やブログ閲覧者に対して語る言葉は一撃必殺の効果があると言える。

 いわゆるMember get member(MGM)といわれる手法だが、これもいつやってもよいわけではなく、タイミングを間違えるとコストの垂れ流しで終わることがままある。

 ではMGMの施策を実施するのに最も効果的なタイミングはいつか? というと、これは次の2つがあげられる。

MGMの効果的なタイミング
  • 最初に商品を購入するタイミング

     過去のコラムでも述べたが、最初に商品を購入する瞬間は、商品に対する期待感が最も高くなっており、ちょっとした興奮状態にある。このタイミングで「一緒に始めるお友達」を誘引するのは効果的と考えられる。

  • リピート化が成功したタイミング

     やはり、MGMの施策もクチコミ元となる顧客の、商品やブランド、企業に対する信頼度やロイヤリティが高い状態にあるときが、効果的にクチコミを広げてくれるタイミングと言える。

 また、促すべきMGMの施策には下記の2つの方向性がある。

MGMの2つの方向性
  • 直接的MGM

     単純に顧客自身に、他の顧客を紹介させるMGM。購入完了後の確認画面や、リピート化成功後のフォローアップのメールやDMで、「お友達の紹介」を促す。紹介元と紹介先の両者に対して何らかの特典を付与すると効果があがりやすい。

  • 間接的MGM

     クチコミを広げる行為を奨励するMGM。上記の直接的MGMと同様のタイミングで、ブログなどのWEB日記に感想を記載することを促す。クチコミのバイラルが広がりやすいようにコミュニティ化することができれば、効果が上がりやすい。

顧客の三段活用
顧客の三段活用

PDCAサイクルの徹底を

 以上これまで6回にわたる連載で、「市場のターゲット層」(ただのデータ)から「リピート客」(儲けのタネ)化し、さらにそこから売上をさらに増やしていく手段や考え方について記載してきたが、どのような施策であっても重要なのは、「ちゃんと体系立てて具現化すること」と「具現化したサービスを徹底すること」「施策を実施した後成功しても失敗しても要因を分析すること」の3つである。これらのPDCA(Plan Do Check Action)サイクルを徹底的に実施することにより、真に顧客を捕らえて離さない商売が成り立つと言える。

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この記事の著者

本松 慎二郎(モトマツ シンジロウ)

1977年福岡生まれ、福岡育ち。
西南学院大学法学部卒業後、福岡銀行に入社。その後、accenture、株式会社アサツーディ・ケイ(ADK)にて、クライアントの売上げ・生産性向上を軸としたコンサルティング業務に従事。現在は通販王国と言われる九州において、インターネット広告を中心とした総合プロデュースおよびコンサルティ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2009/06/05 11:00 https://markezine.jp/article/detail/7326

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